氷菓(原作沿い)
□17.古典部温泉旅行
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摩耶花ちゃんの話によると、摩耶花ちゃんの親戚の方が民宿を営んでいるらしく、現在改修工事中のためお客さんを取れないため、今回無料で貸してくれるらしい。
ありがたいなぁ…。
「やあー。着いた着いた。」
福部君に続いてバンから降りると、話に聞いていた通り半分が改修工事中なのか、もう一方より綺麗だ。
と言うより、古い方が趣があるようにも感じられる。
物は言いようだよね。
「折木、早くしないと置いて行くわよー。」
摩耶花ちゃんの声でもそもそと私の次に降りてきた折木君は、未だに体調が優れないみたいだ。
「「いらっしゃいませ、青山荘へようこそ。」」
出迎えてくれたのは2人の小さな女の子だった。
「こっちが姉の善名りえで、こっちが妹の善名かよ。」
「「『こんにちは。』」」
「小6と小4になったんだよね。」
摩耶花ちゃんは2人に慕われてるみたいで、微笑ましかった。
「お部屋は2階の奥だよー。」
お姉ちゃんのりえちゃんに教えてもらって、私たちは部屋に向かった。
「うわー、いい眺め!」
「なんだか、風情がありますね。」
『うん、温泉に来たって感じがするね。』
私は勿論えるちゃんと摩耶花ちゃんと同じ部屋。
こうして友達とお泊りなんて、中学の修学旅行以来だから、何だからワクワクする。
もう夕飯の準備ができてるみたいで、3人で折木君と福部君を呼びに行くことにした。