Fate/Zero・stay night

□勘違いラプソディー ディルムッド
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ある日突然、名前からディルムッドへの魔力供給ができなくなった。

できなくなったというのは多少語弊があり、通常よりの半分以下しか供給できなくなったのだ。

原因はまったくの不明であったが、しばらく様子を見ようということになった。


ディルムッドは魔力不足により長時間現界できないため、今日も霊体化していた。

その日はマスターである名前が深く思案している様子を見て、ディルムッドは従者として何かしたかったのだが、現界できぬ今、彼はまさに指をくわえて見ているしかなかった。



「ディルムッド。」



意を決した様子で、ソファーから立ち上がっていた名前に呼ばれ、ディルムッドは久しぶりの現界を体感することとなった。



「いかがされましたか、主。」



ディルムッドは名前の前に立って名前からの言葉を待っていたが、名前は視線を落として再び思考に入っていた。


名前が思考を始めると、なかなかに時間を要することを心得ているディルムッドは、この現状をどうするべきか困惑していた。

このまま長期で思案を続ける様なら、自分は霊体化すべきなのでは?



「…主、俺は……んっ…!!!!」



ディルムッドの言葉を遮ったのは他でもない名前であり、その唇だった。


突然の名前からの口づけに困惑するディルムッドだったが、その隙に開いた唇から名前の舌が入ってきたのだ。


その瞬間に、何とも言えない感覚かディルムッドを襲った。


彼の口内を侵す名前の舌は決して艶めかしいものではなく、むしろ荒っぽく、子供のまね事のようだった。


それでもディルムッドにはそれが快感であり、求め続けては自制していたものだった。



ディルムッドの中で何かが音を立てて外れた。
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