□道中
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「あーお腹いっぱーい!
幸村様ごちそうさまーー!!」


「いや、なに」


「才蔵どうしたの?


才蔵ー?」


ここはとある蕎麦処、
ちょうどお腹がすいたところで皆はここで蕎麦を食べていた。


りんにはテーブルにある物だと光にあたって無理らしいので光にあたらない場所に椅子に置き蕎麦の入ったどんぶりを上に置くとゆっくりと現れちゅるるると箸を持ち食べ始めた。
(伊佐那海の影にちゃんといます。)


そばを食べた後の才蔵の目には涙。
あ、ああ。わかった。


ちらりとりんは才蔵を見伊佐那海の影から才蔵の影にと移り、ちょこんと顔を出す。


『ご飯は食べれるし、馬に乗っていけるし、後程泊まるとこがあるという旅に満足してるんでしょー?』


「!!」


『あり?図星?
良い話題になりそう。ひひひひ。』


笑いながら影にへと戻るりんに三、四発才蔵は足蹴りをお見舞いした。


























とある町中にて


「おじさんたちこっちの街道に行くの?」


「!?
童[ワッパ]か………」


『……』


京都へと進むため、町を歩く、
その際中茶色い髪をした子供に出会うのだ。けれども何か可笑しな匂いが子供から漂うためにりんは影から様子を伺う。


「こっちは通れないよ!
この間の大雨で土砂崩れしてるからさ」


「うん。おじさんたち旅人でしょ?
その先に行くには向こうの峠を越えるといいよ。」


「わざわざありがとう」


………………道案内子供なのに凄いと思います。


「あ!そうだ!
ちょっと待ってね。」


ごそごそと探す伊佐那海にため息。


「あれ?えーっと」


「いいよ、おねえさん!」


『………飴だろ?そこにあるだろー?』


「あ。ほんとだ。


はい!あげる!」


はいと手渡したのはペロペロキャンディ。にっこりと満開の伊佐那海の笑顔に子供の顔は少し赤く見えた。


「いいの!?」


「うん!道教えてくれたお礼」


「伊佐那海行くぞ!」


子供を通り過ぎようとした才蔵だが、何かに気づいたようで。


子供が言っていた峠に行き、馬にまたがり道を進むのだが、伊佐那海が疲れて寝てしまった。


その間に才蔵はりんに尋ねる。


「さっきのあのガキ。火薬の匂いがした。」


『沢山持っていそう。
結構、火薬の匂いがバラバラだったからあの子は凄かったりして』


「…………何が?」


『実は話が全くのデタラメで
私たち旅人を罠にかけて殺そうとか?
新しい火薬の実験台にされるとか?


かなり話し方が分かりやすかったから、あの子は頭脳プレイとかで人を殺めそうだね。』


「お前、勝手に人を殺人鬼に変えるな。」


『ふん。私なんて頭で考えて戦うとか苦手。

出来れば……………』


「は?何て言った?」


『何でもなーい。』


うふふとクスクス笑う伊佐那海。
もといりん。伊佐那海は寝ているがために体を借りるのは簡単らしいが五分しか持たないので本当困った体だよと苦笑していた。


よいしょと軽くりんは馬のたずなを軽く掴むと急に馬は幸村様が乗っている馬にと近づいた。


『ところでさ、幸村様。


どうして私や伊佐那海と狙われるような者連れて大丈夫なのかな。』


「それにいいのか?狙われる者にこの人数で。


京に上るってのにどんだけ質素だよ。」


疑問は才蔵にもあったようで幸村様に問うた。幸村様はふっと笑う。


「見栄のためにゾロゾロと人を引き連れて歩く趣味など持ち合わせておらんわ。


そしてりん。大丈夫だ。」


じーっと幸村様を見てぷっと笑う。


『本当変わってるね。』


「そうか?」


『なんというか…………んー。』


「あれだろ?


若君っつーより遊び人って感じなんだろ?」


『そうそうそれそれ。』


ニコニコりんは幸村様に指を指し才蔵に顔を(伊佐那海のかおであるが)向ければ片手でわしゃわしゃと頭を撫でられた。
伊佐那海に私怒られるよ。というと悪いとの一言で解放された。


「遊び人なのはたしかです。」


後ろから六郎の声。りんが才蔵が幸村様が一斉に後ろを振り向き、りんと才蔵はハモる。


「『やっぱり』」


ハモったので才蔵を見やり、えへへへと笑顔を向けると伊佐那海(中身はりん)をチラリと見た才蔵はふっと顔をそらした。


「若。くれぐれも京女などとことをおこさないでくださいよ。」


「なに!?


その楽しみがなくてなんの京だ!!」


「それしか楽しみがないのですか!?」


「あたりまえだろう!!」


「…………………オッサン……」


大丈夫かな。なんて考えているうち、空から煙があがった。
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