壱
□皆で温泉といっても
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ズズズズ………
石川五衛門の屍は
影に呑まれて存在をしていなかったかのように血も武器も影は呑み込み跡形もなく消滅した。
________マダタリナイ
カランコロンカランコロン
「あ〜〜寒っ。
早く温まりてー」
「幸村様の秘湯なんだって!
楽しみ〜〜っ」
『……』
山奥にて幸村一行は歩いていた。
目指す場所は幸村様の秘湯。
なんだか知らないけれど連れていってくれるということで幸村様を先頭に歩いていた。
そして、たどり着いた先は大きな石に石湯と書かれた温泉の門。
扉が二つあり、女人と殿方と書かれてあった。
「女はそっち、男はこっちな。」
幸村様が一言言った後、ぞろぞろと男共は殿方へりん達女は女人の扉を開け入る。
更衣室にて入ってすぐ着替える伊佐那海とアナスタシアに呆然と立ち尽くすりん。
『………(困ったな。皆に付いてきたものの私、服脱ぎたくないんだよなー。)』
りんの後ろの肩から太股までに犬の骨が溶け込んであるのだ。それを見せないためにコートや見えないよう分厚く服を着込んできたのだが如何せんと悶々と悩む。
立ち尽くすりんをチラリと見た二人は全裸で訪ねてくる。
「りん〜?
何ボーッと立ってるのよ?」
『何かね。うん。色んな事情あるんだよ。うん。』
「どんだけ自問自答繰り返してるの?早く入りましょうよ。」
『っ……服脱げない。』
ぺたりと座り込むりんに何かに火を付けたのかチラリとりんが伊佐那海とアナスタシアを見るのだが、物凄く黒かった。獲物を見つけた獣の目だ!!
「「脱がす」」
『ひぃ!!
ちょ、ちょっとやめっ………』
パサッ
「あらやだ凄く体綺麗ね
細すぎない?もっと食べなきゃ駄目よ」
『アナッ!!私の体なめ回すように見るなっ!!』
スルスルスル
「うわ、おっきくていいなー。
アナと同じくらいあるー!!」
『胸に巻いてたサラシをいらやしい手つきで取るなァァ!!
そして胸を触るなァァァァ!!』
「「あ」」
『……………うっ。』
等々、服全てを伊佐那海とアナスタシアに剥ぎ取られ背中にある骨が二人の目に入る。
りんはこんなのがあるから見せられないって言ったんだよとポツリと溢す。
「…………………ぃ…」
『?』
「凄い!!りんにこんな秘密があったなんて!!」
『………………………は?』
「触らしてくれないかしら?
こんなものは始めてよ。」
『…………………………マジ?』
ギラギラと目が輝く二人に離れようと一歩一歩引き返そうとしたのだが、両肩に一つずつ手が乗せられ一言。
「「触らせろ」」
『ち、ちょっと何でそんな獲物を見つけたような目をしてるの!?って、え?待ってタンマ本当勘弁して…………』
イヤァァァァァァァァァァァ!!
「?………何を騒いでるんだ?
意味わかんねー」
殿方の更衣室にてポツリと才蔵は呟いた。