壱
□消えた幸村
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ドタドタドタドタ
ガタガタカタガタガタ
……………さっきからうるさい。
屋敷からあちらこちらと急ぐ音がする
まだお昼ごろだというのに
うるさいとは何事だ!!近所迷惑だよ!!怒られちゃ…………わないね。夜じゃないもんね。
私だけだもんね………………
……………………夜型なのは!!
「毎日元気な奴だな。」
『元気で悪いかっ!!』
「…わ……悪くはない。(むしろこのままが一番いい)」
『……………?(ん?どうしたんだろ?)』
伊佐那海の影にいっつも隠れているりんは最近マイペース気味である。
「つぅか、りんは最近いつ寝てるんだよ!!毎日毎日俺が見るたび聞くたび起きているような気がするんだが。」
『しょうがないでしょ!?
暇あれば伊佐那海に叩き起こされて寝る時間を割いて起きてるんだから私は!!』
「……何となくわかった。(うわ、予想つく。)」
『だいたい才蔵が近くに居れば伊佐那海が静かになるのに少しいないだけで私を無理矢理叩き起こし探して!!と言うから私はもう眠くて眠くて………ふあぁぁぁぁ(欠伸)』
「今は俺の影にいるんだろ!!
いい加減寝ろ!!」
『今の煩さに目が覚めた。』
「…………はぁ。」
『ため息つくと幸せが逃げるんだよーーー。』
「……誰のせいだ誰の」
『…………はて、誰だろーー?』
「…………(いい加減にしろ)」
とりあえず、今日は才蔵の影に隠れてのほほーんとしてます。
今日は騒がしいのです。何があったのでしょうか?
『……はい。才蔵サンお答えください。(キリッ)』
「はぁ?何を答えろだよ」
『えっとー。あれこれそれどれ?』
「ちゃんとまとめてから言え」
『どーしてこんなにうるしゃいのー?って話を読者様様に教えたいんだーよー』
「…………あー。(噛んだとこ可愛いじゃねーか。)」
『…………はやくーはやくー』
「わ、わかったから」
焦らせるわたしことりん。年齢不明、訳ありでここにいる女の子(笑)
「それいらなくね?」
『ぶー。けちー。』
さあ、さっさと話進めましょう。
つーか、いい加減に話進めろ。
『「………逆ギレた。」』
それはそれは数時間前のことに遡る。
朝、とある一室にて六郎以外のメンバーが集まり団らん中。
(伊佐那海、才蔵、佐助、アナスタシア、筧、りん、そして新しく登場した鎌之助)
皆皆幸村様待ちの為に待っているのだが、騒がしい。
「ヒト呼び出しといておっせえなあオッサン。」
「ヒマでかなわねえよ
遊ぼうぜ才蔵」
「ダメーっ!!才蔵はアタシとお茶飲むんだから!!
というか、りんは?」
「………あぁ、俺の影に入って寝てる。」
『……………ぐーぐー。』
「お前ら静かに待たんか!
騒々しい!」
わーぎゃー騒いでいる三人に筧は一喝。隅で大人しくしていたアナはムスッとしていた。
スパンッ
「若!!」
「「「…………………」」」
「幸村様ならまだ来てないよ六郎。」
そこに現れた六郎が戸を開け周りが静かになる。そして伊佐那海の一言によりくるりと無言で戻ろうとする。
「ま………待て!
いったいどうしたのだ!?」
「若が見当たらないのでもうこちらに
来られたのかと………」
探してきますとの一言で筧は立ち上がり某もと六郎に付いていく。
「んだよ
いねーのかよ幸村(オッサン)
さては女のところじゃねーの!?
(りんに聞けば早いかもしれんが寝てるしな。)」
「とりあえず皆で手分けして捜しましょ
城内からは出てないでしょうし」