□奪還
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「伊佐波海 りん探す!!」


『わかってるって


ほらそこだ。』


サッ


『…………………』


佐助。行くの早い。
折角、伊佐波海の臭いを嗅ぎ付けてそこだって指差したら即座にそこから消えるなんて。


『私を置いて行かないでくれます?』


本当なんの為にここに来たかわからなくなっちゃうから

























コトッ


「……………


伊佐波海!」


「………………。


佐助?」


『よいしょ、私もいることを忘れずに。』


「……………りん?」


『うん。そーだよ。』


佐助は屋根上から除きこむように
私はトンと重力に任せて地面に着地。バレるかバレないかは運次第だね(笑)←え?


「無事!?」


「…………うん。」


「今助ける! ちょっと待て!


幸村様心配している 上田帰ろう。」


『佐助。がんばー。


さっきからヤな臭いがプンプンしやがる。』


「気をつけて!」


『わかってるよ。そんじゃ。』


説得中の佐助に任せて私はトテトテとあまり音をたてずに伊佐波海の所から離れる。
私がいたって何も変わるわけがないと思ったからだ。
佐助もわかってそう言ってる。
流石。暇あればちょっかい出してるからこそもう私の扱いは慣れてらっしゃいますね。←え?


タッと屋根上へと上がりヤな臭いが最も漂う部屋へと向かう。
罠だとしてもこの臭いは許せない。
だってね。


ダンッ


『…………誰だよ。シキミを部屋に置いてる奴は!!』


シキミ(樒 )とは・・・シキミ科の常緑高木。 全株に毒性があり、特に果実は毒成分が多い シキミはもともと神聖な木(栄木)でその枝葉には強い芳香があり、死臭を和らげる、悪霊や野生動物が嫌い、土葬の墓荒らしを防ぐと考えらる。〔辞書より〕


というわけでなんとなくですが


この臭いキライ。


つか、説明必要なくね?


『あーイライラする』


隠し持っていた爆薬を手に持つと同時に私の周りを白の敵が囲んだ。
あら、身動き取れないや。
見えない鎖で全体を縛って………イテテ!刺さった!!血が出てない?つーか、鎖って刺さるもの?違うよね?あ。何か工夫してますよね?そうですよね?
困ったな。あーあ。
なにプレイですかこれ!!?


……………あぁあれか。オセロで私も黒から白になるみたいな?


……………ってそういう問題じゃないか。


『…………グッ


ちっ、やっぱり私を誘き寄せる罠だった訳だ。』


「当たり前だ。(簡単な罠に引っ掛かったし(笑))」


後ろから声がする。が、来るっと振り向くことが出来ないので、
シキミを見ながら…………って、なんかヤだ!!


『あれ?久しぶりに聞いた声だ。


政宗様だったっけな。』


「ククッ、正解。」


…………鼻は効かなくなりました全てはシキミのせいです。


『はぁ。面倒な人に当たっちゃったよ。


どーすれば良いの。コレ。』


「こいつが幻の忍びか……始めてみた。」


『んん?もうひとつの声。


こじゅくん!?』


「小十郎です!!」


……………怒られた。


『…………んで、捕まえた私をどうする訳?』


「答えは簡単だ。


_______________だ。」


政宗の驚きの発言にりんはポカンとするが、そう。と呟くと今度はハハハハと笑だした。
笑うとすっごーく鎖が締まって痛い!!


『んなもん無理無理。だって私は主のために生きてるんだもん。


だから邪魔する族(ヤカラ)は消えなさい。
出ておいで私のかわいこちゃん。』


私の影からズズズと姿を表す真っ暗な狼。体長は40〜50位と言っておきましょう。
なんか少しちっちゃくないとか言わないの。これ、自分の体力かなり使っちゃうんだから!!
ま、影から具現化したのでそう簡単には死なないよ。
何でもありな私は卑怯なのです。←え?


〔グォォォォォ〕


「ギャァアァァ!!」


狼が吠えると同時に近くにいた白を黒で真っ黒に染めた。

これが耐えることなく何度も何度も続くので私のまわりはしばらくして白だったものが全ては黒にと変わった。


『これで残りは政宗様とごじゅk「小十郎です!」……うん。小十郎さんね。』


…………オイオイオイ。


狼を元の自分の影へと戻すと
さっと小太刀を取り出して構えるとニヤリと笑うりん。


しかし、政宗は全くそれに無反応で、ははははと笑った。小十郎はポカンとしてましたけどね。


『ふふふふ


[ガクッ]


…グッ………はぁ。』


……………体痺れた。
あれだ、刺さった鎖に何らかの薬が塗られてたんだ。


りんはそう言い聞かせながら前へと倒れた。
もう体は痺れて動けないと察したことでへへへと笑うだけだった。


『(さて、動けない私をどうするのかねぇ)』


「…………さぁて、行くか」


『は?』


「小十郎連れてけ」


「承知しました。」


『えーどこにー


ってぐえええええ!!』


ズルズルと小十郎に首を捕まれて引っ張られていくりん。


何となく目的場所を察していた。


『(………………伊佐波海。)』
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