壱
□黒ノ狼
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「あの屋敷……怪しいわね」
りんが幸村様と話して奥州にむかったころ
佐助とアナは屋敷の近くの森にて忍んでいた。
「あそこに伊佐波海がいるとすると……
相当 厳重な警戒をしてるはずだけど……」
「月隠れたら我行く!」
「私は退路を確保するわ。」
こそこそとはなしている間に
物音で後ろを向く。
「なんの相談かな?
賊どもが!」
_________伊達の忍!!
ざっと元居た木から離れると逃がすまいと伊達の忍どもが追ってくる。
そして佐助とアナを囲むと伊達の忍は苦無を取り出すと勢いよく2人にむかって投げた。
ゴバッ
「ぐふっ」
2人は苦無を払うと佐助は勢いよく伊達の一人に向かい首を斬った。
「このっ……」
それでも伊達忍はまだ減らない。
_______どうする
考えていた2人だったが
『アイ〇ルーー♪
食らえ!電光石火!!』
ドスッ
「グハッ」
「ぐぇっ」
スタッ
突然出現したりんが
忍を倒し近くの木の枝に無事着地。
あーー。危ない。落ちそうだったよ。
……………え?疲れてるの。文句ある?
「「りん!!」」
『あまり私の名前大声で言わないでくれます?』
「まさあの二つ名で恐れられている幻の忍か!!」
『………………』
ええー。敵さんわかっちゃうの?何のための二つ名があるのかわからなかなっちゃう。
って、名前で幻の忍って言われてるよ。誰だよ私の名前を言いふらしたのは!!
「これは殿にいい土産が出来そうだ。」
『オイコラ。私は物じゃないし土産物でもないぞ。』
狙われてるってプロフィールに書いてるけどさ、"殺"の方だからね。大半は。
誰だよ、"捕"の方を選んでる殿は!!
………って、あの狸殿も"捕"じゃん!!厄介。
血が付いた小太刀をペロリとなめるとニヤリと効果音の付くような顔で伊達忍達を見つめた。
威嚇だよ?そんな威嚇無いって?
じゃあ私流ね。←え?
効かないよね。わかってます。
『えっと………今どういう状態?』
「見て分かるでしょ」
ゴツッ
『いっつー。アナ酷い。』
ボケたのにツッコまれず殴られた。予想外。
「よくここまで早くこれたわね。」
只今三人して絶賛逃走中。
アナがりんに疑問に思ったことを訪ねてきた。
『んー。沢山食ってきたからだね。こういうときは走るのも何もかも素晴らしくなるんですぅーー。』
素晴らしい=今だけ機能向上
「食らう?何を?」
『佐助ー。それ秘密ーー。聞いたら私嫌われちゃうからーー。』
貶されちゃうのは私として悲しいからね。言わない方が良いでしょ?
カタカタカタ
『ま、私の話は飛ばして…………
この状況何とかしてー!!』
本当逃げまくってて私疲れた。
息が絶え絶えだよー。
「(どんだけ走りつづけたの!?
下は霧……!)」
_________伊賀亜流氷術 絶海!!
『すごっ。』
私たちと敵さんの間に氷の壁が。って、これどうやったの?
私にも出来たりするのかな?
「任せた!」
「承知!」
氷の壁をペタペタしてたら佐助が一言言ってそこから離れちゃった。
あれ?私はどうしたらいいの?
『ねえ、わたs「しばし私と遊んでもらうわよ」……私の言葉遮らないで貰えます?』
「あら、まだいたの。
てっきりいなくなっていたかと思ったわ。」
『………………グスン。』
目から汗が溢れてきた。
ささっと目を服で拭いてから
アナに近づく。
『私行ってくるね。』
「わかったわ。
逝ってらっしゃい。」
『グスン…アナ酷い』
ボタボタと汗がまた出てきたよ。
佐助の跡追いますかね。
『さてと、アイツにでも会いに行きますかね。』
肩にある狼の骨がカタリと鳴った。