□神速の半蔵
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ぱたたっと血を流す才蔵をみて
才蔵と伊佐波海が後ろから声をかける





「テメエ、ヒトのツラによくも…………」


「もっと増やしてあげますよ」


「ぶっ殺す!!」


聞こえていないようでまたもや戦いを始める。


「ねぇ、りん。才蔵の協力とか出来ない?」


『《…………日が出てる時は行動は限られる。しかし、受けたダメージを代わりに受けることは出来る。強ければ強いほど私にもその人にもダメージを食らうがな。》』


もう、私の体はボロボロだから変わり身は一度きりかな?


「お願い。才蔵の力になって!!」


『《………………》』


伊佐波海の本気の願いにりんはなにも言わなくなった。


………………我が主もこんな気持ちで私に命令してたもんなぁ


なにも言わず黙っていたりんが痺れをきらしたのかはぁとため息をつくとわかったと伊佐波海に返した。


「本当!?」


『《そうだ。裏切りはしない。》』


それが私ら早乙女家の決まりごとだからだ。忠誠心は誰にも負けない。


ズッ キチッ ミチッ


そのころ半蔵が苦無を構える隙に半蔵は腕を刀で一突きした。


もう片方で苦無を構えるがそれを半蔵に刀で弾かれる。


「はい残念。


オンソンバニソンバ
ウンバザラ
ウンパッタ」


ヤバイと思ったりんは瞬時に伊佐波海の影から離れ、才蔵の影へと入る。


奥義 火生三昧!!


特技 自己犠牲!!


才蔵を庇い表からさっと出るドドドドドドドと至るところから血が出る。強すぎるせいで才蔵にも当たる。けれども死にはしない程度で


『ゲホッ………まぁよかったほうか……』


りんはごほごほと血を吐き出すと才蔵の影に隠れた。ボタボタボタボタと身体中から血が出てるせいか、体が全く言うことが聞かない。


逆にばたっと才蔵は倒れる。と
才蔵、りんと言い伊佐波海は泣く。


「ヒドイ………ヒドイヒドイっ!!」


伊佐波海の何かの力が発動する前に半蔵は気絶させる。


「お嬢さんの力は聞いているよ


ちょっと黙っててくださいね!」


伊佐波海が倒れる所を才蔵は見る。


「伊佐……波海」


『《ゲホゲホ………ガハッ》』


「りん!!お前は何故俺の影に入ってきた!!さがってろと言ってたじゃねえか!!」


『《伊…佐波海から…言われ…たん…だ…よ。》』


途切れ途切れで話すりんにもう話さなくて言い、わかったと才蔵は返した。
自分よりもりんのほうがダメージが多すぎるからだと才蔵は気づいたらだ。


ギッ


「!!」


半蔵の手に鳥が襲いかかると、
次に苦無が何本も飛んできた。


そして半蔵の手に一本の苦無が刺さると同時に佐助が現れて気絶していた伊佐波海を支え逃げようとする。


しかし、左頬に半蔵のパンチが炸裂する。


さっと半蔵は刀を構えると佐助も愛用の苦無を構えるとどっと振りかざす。


キシッ


ズタンッ


刀は半蔵の刀で止められ、佐助は地面に倒される。


どんと佐助の腹に足を乗せ


ドカッ ボキボキボキッ


「ぐふっっ」


「佐助………!!」


『…………っ』


骨を折る。佐助は苦しそうな顔をし、動けない才蔵は叫ぶ。
りんはギリッと口を噛みしめる。あ。血が出た。


「お務めの邪魔は


許しませんよ」


佐助から離れ気絶している伊佐波海の元へ行こうとする半蔵に


ちくしょう!!と


りんの耳に力強い才蔵の心の声が聞こえた。


………………………。


りんはどうすることも出来ず、ただ影で見ているだけしかない。


「さあ


引き上げましょう」


ぐりっと伊佐波海の服の首を掴もうとする。


キュオッ バンッ


「(狙撃!?)」


手に弾が通過し血がでる。


半蔵もそれには驚きを隠せないようで当たった手を見ている。













「ふーー。

大変なときに帰ってきてしまった」
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