□上田城忍合戦
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「ないないないないない!!


なぜアレが出雲のどこにもないのじゃ!?


なんとしたことか半蔵!!」


「(《アレ》だってもどういうものかもわかりゃしねえのに………)


申し訳ありません」


「ぃょし!!なれば真田に匿われているあの巫女をなんとしても連れてまいれ!!


ついでになにかとワシに従わぬ真田を脅かしてこい!!」


「しかと承りました」






















「才蔵を探して」


『スースー…………んあ?』


今日も1日伊佐波海に起こされることから始まる。太陽さんさん。りんにとってはありがたくないお昼頃である。


『クンクン…………あーー。屋根の上。ふぁあ。』


寝ぼけたまんま匂いを嗅いで探すのはもうなれたせいなのかどうなのかは知らないが百発百中なので伊佐波海も疑わない。


あれ?どうやら伊佐波海の服装が変わってる。


「いた!!才蔵!ちょっとちょっとーっ!」


屋根の上から才蔵を見つけると大声で呼ぶ。眠い私はうとうとしていて今にも寝てしまいそうだ。


「ぁあ!?」


「下りてきてよ!早く!」


なんだよと才蔵が降りてくるとえへへーと自分の服装を見せる。
がどうやら才蔵はわかってないらしい。


「便所か!?」


「…………………」ビクッ


『《…………才蔵。》』


ほら伊佐波海目茶苦茶落ち込んでるぞ!!


「なによぅ佐助はかわいいって言ってくれたのにーー


せっかく才蔵にも見せにきたのになぁ」


「そんな重そうなの着てなにするんだよ」


「豊作の奉上舞わするの!」


「なんで お前が」


「いつもの巫女さんが急に来れなくなっちゃったんだって」


「ふぅーん。」


直ぐ様じゃ行こ!という掛け声とともに才蔵の手をつかむ


「は!?」


「好き同士いつでも一緒にいないとねー」


聞いたとたんちょっと待て!!と反感の声を上げる才蔵。


「なんだその激しい思い込みだが。」


「お団子屋さんも来てるんだってー」


「だからぁーー」


怒った才蔵はパンと捕まれていた手を弾き俺は騒がしいのは嫌いなんだよひとりで行けってと言い切った。


「伊佐波海様!早くしてください」


管理人のかたなのかな誰かが呼びにきた。


「ホラッ呼んでるぞ」


適当にあしらうと才蔵のバカとケチと返し走った。


『《今日は騒がしいけど一体何?》』


「祭りよ。そしてこれから舞を舞うの。」


『《祭り?なんだそれは》』


「知らないの?終わったら行ってみる?」


『《是非行きたい》』


ずんずんと進む伊佐波海をただただじっと見つめるりんだったが嫌な匂いがして鳥肌がたった。


『《(なんだ?この殺気)》』



















コツコツと階段を上がり前に出るといよっ伊佐波海と嬉しそうな声が聞こえた。幸村様だな。


ピーと笛のおとがなる。


舞の始まりなのかな?
うーんと迷っているとタンとポーズをとった。


たまあまはらに

かむづまります

かむろぎかむろみのみこともちて

すめみおやかむ

いざなぎのおおかみ

つくしのひむがのたちばなの

をとの

あわぎはらに

やをよろずの

かみたちとともにきこしめせと

かしこみ

かしこみまをす



ざんっとポーズを決めるとぱちぱちと拍手が聞こえる。


私はというと、影が色々と形を変えていたのでそのせいで少し酔っていた。うぷっと手を口に押さえているが、吐きたくはないので収まるのをじっと待つ。


ヒュッ


『《…………っ》』


伊佐波海の体を少し借りて苦無をさっと避ける。けどちょいと酔いがまだ残っていたので尻餅をついた。


チリッ


『煙幕か!!』


苦無についている紙が燃えてボンッと音をたてて白いもやが辺りを染める。


「う………ゴホゴホッ……」


『《大丈夫か?》』


「うん大丈夫。りんありがとう。」


『《視界が見えづらいから気をつけて》』


「うん。あ やっと見えてきた逃げなきゃ」


伊佐波海が走ろうとすれば何処からか苦無が服のふちに刺さる。


『《ちっ………お出ましですか。》』


「あっあっあ…………」


伊佐波海の後ろに嗅いだことある奴がいた


「俺の名は服部半蔵


一緒に来てもらうよお嬢さん」


「…………っっいっ………」


ガチガチと震えている伊佐波海。
どうやら訳ありなようで。
影もどうやら止められているようで


『《仕方ない。》』


明るいのは本当は完全に無理だが白いもやがなんとか役に立つ。
一か八か。


ざざざっと影からゆっくりと飛び出し、地面にくるっと着地するととおやおや久しぶりですねと声をかけてきた。


『誰が久しぶりだって?
ーーーっ。日差しが痛いんだ。早く殺らないと。』



「りん!!」



「前もそうやって誰かを庇ってましたね。」


『煩い!!前の事はどうでもいい!!』


じゅーっと私の体から焼けているような音がする。ー少しずつ霧が晴れてきているのかーそうなればと自分がたまたま持っていた煙玉をありったけ投げ、太陽の日照りを抑える。
さっと愛用の小太刀を構えるとさっといた場所から姿を消し


『喰らえっ』


半蔵の後ろで小太刀を振るう。
けれども


カキーン


『ちっ』


苦無で受け止められる。
ギチギチと小太刀と苦無の音がなる。弾き返され居た場所からパッと五歩くらいバック転で下がると


「相変わらず速いようで。


ですが」


ヤバイと察したりんは得意の素早さを駆使してバク転から宙返りで
半蔵の三メートル位ほど下がる。


が、


プシッ


ウソ!?切れたァァァァ!?

ヤバイヤバイとあせるりん。避けても腕や腹至るとこ斬れた。半蔵本当何者?


『……ぅく、きっつ〜〜』


あ。血が出てきたよ。ヤバイのは腕か。
りんは腕を手で押さえ押さえてないほうはmy小太刀を持つ


才蔵来ないのか?私ダウンしたいよ。


そう弱気になりながらも少しでも体力を減らしたいが為に影を使い狼を呼び半蔵の背後に立たせりん、狼と時間差起きに攻撃を仕掛けたのだが


『どうみても遊ばれてんじゃん。私。』


はははとりんは苦笑した。
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