□光と闇
2ページ/2ページ



「〜〜〜…てえ……」


『大丈夫か?』


「へ?…………!!」


さっきまで起きなかった才蔵が面倒になって(え?)右肩に担いでいる。声が聞こえたので大丈夫かと聞いたのに才蔵が固まってしまいなにも言わなくなった。


………肩に担いでいるせいか。


はぁ。とため息をつくと、ゆっくりと才蔵を下ろす。怪我人だから今回は優しくしてやろう。


女がやることではない?
くのいちだから気にするな(え?)


「…………あのうわばみ破壊されると起爆する仕掛けになってやがった……相当な術者に操られていたらしいな…」


『うんうん。それよりも才蔵の怪我がそれだけですんでいることが逆に不思議だな。』


うんうんと頷いていると才蔵に可笑しな目で見られた。なんでだ。


「ーーーーその声は才蔵!?」


なんだなんだと声がする方に顔を向けて、赤い目の輝きを強くするとその声の人がいた。


伊佐波海です。


「その目そんなことにも使えるのかよ。」


『知らなかった。』


初耳だよ。


「無事だ……よかったぁ……」


才蔵にドンと抱きつくとよかったよぅと言う声とボロボロと涙が。


『才蔵また泣かせた。』


「うるせー


ん!?いててててえっっ」


メキメキと才蔵の骨がなる。
怪我人だったなぁ。うーん。
















「ーーーーそうか落ちたのか」


「うんあの凄い爆発でねー。」


『ほらこれ包帯。』


「ありがと。」


才蔵の怪我の治療をする。私と伊佐波海。私がどっからか薬を取りだし伊佐波海に渡し、包帯は持っていくのが面倒だが必要だと思っていたので今回服の上にぐるぐると巻いていた。
それが必要になったので巻いててよかったなと感心しているりんがピョンピョンと跳ねるのでカラカラと頭蓋骨が鳴っている。


「ほら火を灯せるか?」


才蔵が出した灯をともすやつを出してきたので了解と自分が隠し持っている火薬をちょいと使って火をつけた。


そこら辺が少し明るくなる。


『ふぅ、少し、眩しいや。』


ふうと汗をかくような仕草をすればそのコート暑くないのかと聞いてきた。


『何で?』


「いつも着ているからよ。」


「あれ?才蔵聞いてなかったの?というより、教えてなかったの?」


『つか、伊佐波海しか教えてないからね。』


今言えと?


「今言うよね?」(ギロ)


『え、あ、脱出してからちゃんと言うから』


ここではよしてください。



















「才蔵が落ちるのを追っかけたら下にズボッと。その上から土がいっぱい落ちてきて……」


「生き埋めか!」


『そうそう。生き埋め。』


「全然無事じゃねえっっ」


「でも本当に離れられない運命だねっ!さんにん仲良く生き埋めだなんてっ!」


これじゃ死ぬまで一緒だよー。と嬉しそうに言う伊佐波海。
私も数に入れられた。
まてまてまて私、まだ死にたくないぞ!?
才蔵をちらっとみると顔に手をあて考え事をしていた。


「お前なんでそんなに楽観的なの!?」


「楽観じゃないよ。才蔵、そしてりんがいればだいじょーぶ!」


『…………はぁ。』


「だからその自信はどこから………」


「光だから。才蔵はアタシにとってたったひとつのあったかい光だから」


『………………』


途中からなんかついていけなくなったりんはクンクンと匂いをかいで森の香りがしないか探る。

森の匂い=外だからだ。


その間にも才蔵と伊佐波海の会話は続く


「あったかい……光?」


と才蔵が訪ねればそうと手の指と指を合わせて目を閉じて一言いった。


「初めて出会ったときとても嬉しかったの」


奴らに追われて苦しくて怖くて……


ずーっと出口のない闇の中を走ってた


誰も守ってくれない誰も助けてくれない。


そんなアタシに手を差しのべてくれたのは才蔵だけ。


あのとき確かに新しい光が射した。


波立っていた心がウソみたいに凪いだの。


りんにも感じたよ。


「あり得ねえ」


聞いていた才蔵はきっぱりといった。


「俺は奪う側の人間だ人を殺すことはあっても救うことはない」


それにはりんも黙ってはいない。


『才蔵も私も伊賀のもの伊賀は「殺しの里」


子供のときから育てられてきたんだから』


光なんてあるはずがない。


「闇から闇に渡ることはあっても表に出ることはない。


お前を助けたのもたまたまだ。」


『………ふんっ』


いい終えたりんは背を向けて探すことを再開する。


「そんなの関係ないよ!才蔵もりんもまぶしいよ!アタシにとって!


ね!?」


「お前きっといい親に育てられたんだろうな」


「親!?


いないよ。アタシみなしごだもん!」


「は!?」


ちらっと才蔵をみたら目を口を開けてポカンとしていた。
クククッ。ネタにしてあげよう。


「んーとね。アタシ赤ん坊のとき出雲大社の前に捨てられたんだって!


神主様が育ててくれたんだ!」


「いや悪ィ……つーかなんで今まで……」


「だって聞かなかったじゃない!りんは聞いてきたから答えたけどね。」


ねーと私を見て聞いてきたから
ま、まあと適当に返しておいた。


「その神主様ももういないんだけどね……」


「いないって」


「うん…出雲でねアタシをかばって奴らに


だからアタシ天涯孤独なの!頼れるのは才蔵、そしてりんしかいないのよ。わかった!?」


「押しつけがましい奴だな!」


『!!………みつけた!』


外の匂いだと才蔵に言うとばっと立ち私の方へ来た。


ここだよ。と指を指すと
良くやったなと才蔵が私の頭をぐじゃぐじゃと撫でた。


「すごいすごーい!!良く見つけたねりん!」


『…………』


一度も誉められたことが無かったので下を向くりん
きっと真っ赤なんだろうに違いないな。


「んじゃあ男なら期待分働かねえとな!!」


摩利包丁を手に持つと上に着ていた服をワタシに渡してきた。ほえ?


「持ってろ。」


『あーはい。了解。』


才蔵はひたっと手を当てて一言。


「もし崩れたら……一緒に死ぬか」


それを聞いた私と伊佐波海は


「信じてる!」『任せる!』


「承知した!


オンマリシエイソワカ!!」


ドドドドド


『ふっ』


壊すと同時にりんは伊佐波海を守る。そして明るくなると影にずずずずと入っていった。


「オラ!伊佐波海!」


手を差し出す才蔵に


「やっぱりまぶしいよ才蔵!」


才蔵の手をつかむ伊佐波海。


りんは羨ましそうにその光景を影ながらに見ていた。









オマケ


「…………なにしてる。」


「!!佐助……」


地上に上がれば佐助とアナが待っていた。
佐助の手には小さな蛇を木の枝に巻き付けて


穴をみるとドーム状になっていた。


『………………』


みんな揃って沈黙が走る


「それよりなぜ裸!?やましい!!」


「これは別に何も……っ」


「鬼畜ね。」


「アナ!!


つか、りん俺のかえせ!!」


「うーん。寝ちゃったっぽいね」


「りん!!」
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ