□でかいねー蛇ー
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伊佐波海の言葉通りに森に入る才蔵と伊佐波海とその影にいる私。


どうやら伊佐波海の勘らしいが


『(臭いがしない。)』


森に入ると必ず鳥や鼠やその他もろもろの臭いがする。しかし、入った瞬間臭いがしない時点で何かがおかしい。


「(なんだ?今日はずいぶん暗いような………気のせいか……)


伊佐波海!帰るぞ!」


「!なんで?まだうわばみ見つけてないよ?」


「もう佐助が殺っちまってるよ!」


「!」


伊佐波海の言葉にあっさりと返す才蔵。確かに狼煙が上がってから暫く時間がたつ。アナも行ったことだしもう倒してもおかしくはない。


「才蔵!アタシの言うこと信じてないでしょ」


ひどーいっという伊佐波海にうるせえなあ!現になにもいねえじゃねえかとさっと答える。


もう才蔵は伊佐波海のコントに慣れたのかな。


「つきあってやってるだけでもありがたく思え」


「なにもないからおかしいんじゃない!音もしてないのよ!


今日は小鳥の声ひとつしていない」


めんどくさいからガバッと影から顔を出してクンクンと匂いを嗅ぎながら音も聴いてみる


「りんどうだ?」


『うーん。得体の知れないものがいるような匂いはするね。音は全くしないよ。何だろうねコレ。』


無臭だね。臭いのつかないムシュウダとか至るところに置いてるのかな?ファブリーズかな?シュッシュッして無臭にしたのかな
あ。もしかしてここの森を洗濯しちゃったぜ的な感じなのか?エコか?それとも管理人の仕業で森に動物達をいれ忘れてたぜ的な感じなのか?


「アホ」


ゴツン


『!!うわぁぁあん。ぶたれたー。』


才蔵にぶたれたりんはうぐぐっと頭抱えてうずくまる。
痛いよ。痛いよ。ただあり得そうな事を考えてただけなのに!!


「もう考えてる事が完全に裏情報だろ!管理人までこの小説に出すな。この世界にムシュウダとかファブリーズとかないからな。」


『………ごもっとも。』


戦国にあったらすげーな。


「さ……さささ……」


急に伊佐波海が冷や汗をかいて足をガクガクと震わせ才蔵に抱くつくので
りんは何だ何だと伊佐波海を見ながら辺りも警戒してみる。


「腹でもくだしたのか?」


『さっきは元気だったけどな』


「う……うう…う……」


『ん?……………あれ?』


「あん?」


上から何か来たね。やな予感。


「『上ぇ!!/上見ろ!!』」


伊佐波海と被った。言いたかったことはこれですか。


りんは影に潜り
才蔵は伊佐波海を横抱きにして上へと飛ぶ


襲ってきたのは大きな蛇。
でかすぎる。焼いたら美味しいのだろうか?


「気配が全然なかったぞ!!」


「蛇だもんっ」


『《臭いがしなかったとかなんたる不覚!!》』


「蛇だもん」


蛇だもんで終わらせるとは!!
伊佐波海強し!!(なにがだよ。)


ゴバッ


蛇が顔を出し口を開けるので
きゃー!!と叫び声をあげる伊佐波海。
そして蛇ダメとか涙目で訴えて気絶した。なんでだ!!


「ぅおいっっ!!」


『《大丈夫か?》』


「このかっこで大丈夫に見えるか?」


才蔵は伊佐波海を横抱きにしているせいでうまく戦うことが出来ない。どうしたものか。


バクッ


『《!!才蔵》』


「ーーーーっ危ねえっ」


伊佐波海の服の一部を捕まれたので才蔵は苦無で切る。
ほっとするのもつかの間


「りん頼む」


『《ほへっ?》』


伊佐波海を投げたので
しょうがないなと影から姿を現し、地面にぶつからないよう伊佐波海を地面すれすれでキャッチする。


よかったね。暗い森で。


『さあて才蔵は何処だ?』


キョロキョロと探すと蛇に潰された才蔵がいた。


『…………伊佐波海帰ろっか』


「え?」


『あれ才蔵の屍だよ。動かないただの屍のようだ。』


「本当!?」


『うん。』


「オォォォォォイ!!俺を殺すなァァァァァ!!」


生きているって。良かったね。
ということで長くないそうだから今回はおしまい。
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