壱
□no ten fingers
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夜
伊佐波海の影から出てきたりんは城の屋根に座ってグーッと背伸びをする。
『ふぁー。よく寝たー』
「寝すぎだ」
『しょーがないじゃん。今回は伊佐波海ちゃんに色々こき使われたのー。本当朝に能力使うなんて久々だよ。』
才蔵がさっと私の近くに現れ近くに座る。平和だなー。
「もしかして伊佐波海を川の周辺まで連れてきたのはお前か!!」
『うん。どうしてもっていうから。まぁ影借りてる身だから断れないしね………うぐっ』
てへッと舌を出して笑ったら才蔵から拳骨を食らった。くうぅぅっ痛い。たんこぶ出来てないかな。心配。
「くそ。お前が連れてこなければ………」
才蔵がブツブツ言ってるけどスルー。頼まれたんだもん。私頼まれごとはやらないといけない主義だもん。
『ふは。そういえば幸村様から話聞いた?』
「…………ああ。両の手の指だけ同士を集めるだとよ。お前は入らないんだってな」
『あったり前よ。私には¨主¨がいるんだかr「本当か?」………多分』
主は本当にいるんだ!!
でないと私の存在理由がわからなくなる。
「んで、何か頼まれてるのか?」
『えーっと。【守れ】って言われたのは覚えてる。何を何処で何がなのか全くわからない。とりあえず【守れ】だね。』
「その¨主¨の顔も声もわからないんだろ。」
『まあね。けど私の主はカッコいい人に違いない。ああ愛しの娘よー。とか言ってたりしてねー。会いたいな会いたいなー………ぶけちょっ!!』
変な妄想してたせいなのかまた才蔵から拳骨を食らった。
頭いたーいー。ひーどーい。なーくー。
「ウルセェ。少しは黙れないのか!!」
『むー。すんませーん。』
ごめんなさいと謝るとよしと許してくれた。こんちくしょー。
『ねぇ、体鈍ってるからちょいと森で組手しない?』
「ああ?」
『ねぇしようよ。本当暇すぎて暇すぎて仕方ないんだ。』
ぱっと立ち上がるとカラカラと左肩のコートに付いてある頭蓋骨が鳴る。
………………どうやらこの子も遊びたかっているように見えるよ。
「まあ、俺も今暇してたところだ。少しだけならいいぜ。」
『ありがと。嬉しい。じゃあ、行きましょー。』
お互いにこりと笑うと一瞬にして姿を消した。
そのあとしばらくして伊佐波海がやって来て何してたのと聞きまた才蔵の左頬に手跡があったとかなかったとか。
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あとがき
今回は才蔵sideでの原作沿いと
ちょいと甘めのオリジナルを書きました。
本当ヒロインをなにさせようとしてるんだか。私グルグルしてます。困ったなぁ。次は蛇ですか。でっかいのいたら私はいち早く食べられそうだなぁ。うん。