壱
□影として
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チュンチュン
「(朝か…………)」
『おはよーございまーす。』
「すーすー」
「!!」
ズガーン
「ーーーーーっっ」
『《朝から元気だなぁチクショー》』
朝っぱからビックリして壁に激突している才蔵は特に。
「なんで毎日毎日俺の布団に入ってくるんだ!?それにりんもだ!!」
「いーじゃんふたりで寝ればあったかいし。」
『《んー。私は数に入ってないのか。しょーが無いじゃん。》』
伊佐波海ちゃんの影を借りてるんだもん。
「そばにいるって約束でしょ!?」
「…………あのなぁ俺は男でお前は女だろ!?
少しは恥じらいつーもんを………」
「いらないわよそんなの!
アタシ才蔵のこと好きだもん!」
『《ねぇ、私のこと忘れてる?二人だけの空間に入り込んでます?いい加減にしろよ。》』
伊佐波海の影からゾゾゾゾと姿を現す。ここはまあ日が当たってないからてで来ても支障は無いんだけどね。眠いけどさ。本当寝る時間帯なのに…………はぁ。
「おはようりん!」
『うん。まぁおはようダネ。私はおやすみなのに…………』
「そりゃあそうだな。」
私を頭を才蔵はワシャワシャと撫でる。何故?
すぱーん
「飯。」
部屋の戸が開くと同時にさっと影に隠れる。日は嫌いだ。
「おはよう佐助!
ご飯ご飯」
「う……うん。」
『《…………うぶ》』
「否!!」
伊佐波海の胸見て頬染めるとかマジ笑えるよ。
ご飯置いて武器構えないでね。私だってこの影に隠れてても何かしら攻撃されでもしたら血が出るんだから。
「え?血が出るのか?」
『《うん。って、え?喋ってた?》』
「喋ってた喋ってた」
『《うわっはー。マジてか》』
やっちまったよー