壱
□居場所?森ですか?
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暗い空に大きなまあるい月が
あたりを照らしている時間
人の影を借りていた(好き勝手に入り込んでいた)りんは其処からどうやって出ようかなと迷っていた時に
ちょうど男と一緒に森に入り込んだので好機とばかりに
存在を消し、見ていない隙を狙ってその影から
逃げた。
そして木の枝にぱっと着地隠れるとすると
なんとなくだが歩く二人が気になってジーッと遠くで見つめる
そして右目が光っててバレたらヤバイなということで
右目を布で後ろできゅっと結んで隠す
『(…………ふぅ、危っぶな。動こうかと思ったら城に何故かいるからそれはヤバイだろうと思ってたんだよな。あのオジサンも男とも名前は知らないが気を緩めたりしたら絶対バレそうだし…………)』
起きたのはとある一つ部屋で、
かなりの畳があったことからこれはお偉いさんが住む城だと即座に認識した。
のだが、実際部屋は少し薄暗かったのでパチッと軽く目が覚めただけであって
起きたばっかりのりんに とっては寝ぼけていて。
そのせいで彼女が他の人たちが何を言っていたのかは全く聞いておらず
臭いでああお偉いさんだと確認してても上手く脳が回らずじまいで
結局、偉いと思われる人たちがそこから出ていってしばらくして彼女が泣いていたことだけしか覚えていない。
何がどうなっているか謎なまんまりんは彼女の影にいたのだ。
バレないよう(その前はぐっすり寝ていました。)
「………ん……だ……!!」
「だ………………て…………」
嗅覚、視覚はずば抜けて良いのに
聴覚はてんで駄目なりんは
少しの雑音と喧嘩しているような姿しか見えておらず
マジこいつらどうしたのと首を傾げる。
『(お。の二人の他に臭いがする五人?他に二人……お偉いさんともう一人か。鳥たちの臭いもする……どんだけだよ。)』
クンクンと臭いを嗅ぐ姿は犬のように見えてもおかしくない。
ゆっくりとだがあの二人に近づいている。
まあ、急に現れたら絶対殺られると思ったのでそこから動かずただ見守るばかり
なので
鎖があの二人に縛られても
忍五人が現れてあの二人が危機でも
途中から鳥が現れても
お偉いさんともう一人が助けに来ても
なんだかんだ倒したことも
傍観していて動くこともなかったのだ
というより出番をで損なったのだ。
『それ言うな。ただ見守ってあげた…どんなやつらなのか拝見したかったということにしろ。』
図星のりんはガシガシと頭を掻いてうーんうーんと悶える。
「かわいこちゃーんずっと隠れないででてこーい!!」
『「は?」』
何々?と思ったらお偉いさんがわたしのいる方をガン見して叫んでいる。
つか、声被ったよね?結構大きな声で喋ったよね。つか、何故バレたし。
やばっと思った私は汗ダラダラで
ここは逃げようかなとしたのだが
「瞬光!!」
『ぐへらっ』
黒っぽい服着た……確か才蔵といってたやつが勢いよく飛び出し、突然だったりんは何も行動出来ずにモロにくらった。
そして、呆気なく攻撃されて木の枝から落とされて地面とご対面を果たしました。
出合いは最悪じゃねーか!!