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□万事屋狼銀ちゃん
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キィキィ、カアカア、グワグワ、ガウガウ、ニャーニャー
沢山の動物たちの声が響くここ歌舞伎町。
万事屋は定春を連れて公園にと来ていた。
狼は、とてとて道を歩く草食動物に涎を垂らし、兎は番傘をさし、蝙蝠はその番傘に入り、猿はこの状況どうすればと考えていた。
「……………ほら豚が一匹、二匹……
あり?牛も居やがる。あれ捕らえたら二日、三日生きていける。」
「銀さん、あれ今は動物ですが
本当は人間ですからね。共食いにありますよ?」
「うっ。我慢しろ俺。我慢!!」
『日が強い。目が痛い。』
「夜兎みたいになってるアル」
公園のベンチに座る万事屋メンバー。そんな四人にグルグルと喉を鳴らした動物が現れた。
そして、兎を捕まえた。
「兎げーっと」
「ギャアァァア!!
虎!!やめろアル!!」
『オレもいるんだけど!!
殺す気かクソッタレ!!』
ジタバタもがく兎に兎が持つ番傘の中でバタバタさせる蝙蝠。
そして、兎をくわえる茶色の虎。
ポカーンとする狼と、猿はこれこそ弱肉強食。と考えたあと、食うなァァァァ!!と叫び出した。
「総悟ォォォォ!!
お前まで一般人殺すなよ!!」
「チッ!!」
どっからか声がし、茶虎は兎を吐き出した。
「え?総悟?もしや総一郎君?」
「旦那。総悟でさァ。」
「「「ええええええ!?」」」
「総悟がすまなかったな。」
屯所の部屋に案内されペコリと頭を下げる黒狼、土方十四郎は謝罪した。
銀狼は土方が黒狼が許せないのか唸っていて、神楽は茶虎、沖田総悟に食いかかる。新八はガックリと落ち込む。定春は相変わらず、応接室にいたように寝始めた。
キィィと暗闇に安心したのか蝙蝠はグルグル飛び回る。
『へぇ、お前も狼とな。』
「なんか許せないんだけど、
普通、りんちゃんが狼で大串君が豚じゃね?豚足じゃね?」
「誰が大串だ!!
そして豚足だァ?ぶった斬るぞ!!」
「だってよ、性変換したとき、
大串君は豚じゃなかったっけ?
ポタポタの豚じゃなかったっけ?」
「なんだと!?」
お互い闘争本能により歯を剥き出したので蝙蝠はまあまあと中間に立ち落ち着かせる。
『ほれより早く人間に戻れるようにしないといけねーんじゃね?』
な?な?と小さい体でお互いの狼の目をみた。
「「…………………旨そう。」」
『…………ヤベ、食われる。』
ギャアァァァァァ!!と叫んでももう遅い、お互いの狼の片方の手によって両方の翼を同時につままれ、助けてくれ!!と叫んでも、助けてくれる動物はいなかった。