番外編

□夜のヒトコマ
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『……………はぁ』


ここんとこ伊佐波海にこき使われ
日が出てる時間帯全くというほど寝ていない。

つまりは睡眠不足。きっとくまができてるに違いない。


只今夜で私の好きな屋根の上でだらけている。
唯一誰も(来た奴もいるが)ここは物静かでもってこいの場所。


『……………バリバリ』


朝も昼も食べないので(無理矢理食べされた事はあるが)乾かした餅を食べる。なんと言うんだっけこれ。
ま、まあ、美味しいというか食べないと死んでしまうのでゆっくりと味わいながら食べる。


『……………モグモグ』


タンッ


「おいっ、良くそんな餅を毎日食べれるな。」


たまに私の場所を荒らす霧隠の才蔵さん。
伊佐波海は才ちゃんと言ったことがあるらしいが私は逆に蔵ちゃんと呼んでいる。
言ったら愛用の剣で殺されるので心のなかで言っている。


『んー。干し餅美味しいんだよ。胃持ちするから好きなんだよね。』


ほらとまだある干し餅を才蔵に一個渡す。
才蔵はそれを受け取らず苦虫を噛んだような顔をするので何?どしたの?と首をかしげる。


「お前そんなものを食っているから細いんだ!!」


ぱっと私の手を掴んできたせいでころっと干し餅が落ちる。食べ物粗末にしちゃいけないのに。


『だから何?私はこうやって生きてきた。


文句でもあるのか?』


ああ、強気で言ってしまった。折角私のことをしかってくれる人がいるのに。


「ねぇけどよ。もっと良いものがあるだろ!それにもっと俺のことを頼れ。」


才蔵が私に向かって何かを投げた。
その投げられたものを素早く取る
どうやら包みに入ってるものらしい
何だ何だと包みを開けてみれば美味しそうな魚がタレと共に美味しい匂いを輝かせているじゃないか。


『………………』


勿論私はこんなものは久しぶりだから涎をダラダラ垂らして魚を見つめる。


「川から釣ってきた物だ。美味しいから食え。」


ふんと横を向く才蔵。私は私は


『ありがと』


満点な笑顔で才蔵に感謝の言葉を言うと。
おう。という小さな声が帰ってきた。


そのあとその魚にかぶりつく。
脂がしっかりと乗っていてお肉がしっかりと詰まっていた。
私は私は幸せな今の時間を噛み締めて


朝になるまでそこで2人と過ごしたのだった。




もしかしたら恋だったのかもしれない
(違うと思うけどね。)






☆★☆★☆★☆★☆★


あとがき
200hitthanks ということで即席で作ったちょいとというより甘めの才蔵寄り小説。ヒロインの名前が今回無しでしたね。即席ですから仕方ない。

とりま、これからもよろしくおねがいします。

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