10×40

□エピローグ
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デンライナーが士達の脇に停車すると、中から1人の老人が出てきた。

「居た居た。おーい!士くーん!」

「おじいちゃん!?」

その人物は、先程までずっと士のカメラを修理していた栄二郎だった。

「修理が終わって出てきたら、誰も居ないんだもん。びっくりしちゃったよ」

「……おじいちゃん、もしかして気が付かなかったんですか?」

「え?何が?」

どうやら仕事に熱中していたあまり、今回起きた事件も気付かなかったようだ。

「おや?どうしたんだい?こんなに集まって―――あっ!そうだ!」

何か思い付いたように手をポンッと叩く栄二郎。

「これから修理したカメラの試し撮りをしないといけないんだけど、皆さんどうですか?記念に1枚」

栄二郎は皆に提案する。

「いいですねぇ。今日という、かけがえの無い日の思い出を残すのも」

そう言いながら、デンライナーからオーナーが出てきた。

「さあ、時間は有限です。皆さん並んで下さい」






「わーい、格好良く撮ってねー!」

「ちょっとキンちゃん、狭いって」

「しゃーないやろ!」

「家臣ども、苦しゅうない」

「てめえはもう少し詰めやがれ!」

「ほら、アンク。スマイルスマイル」

「……ふんっ!」

「綺麗に取ってくれたまえよ」

「なんだか、士君が撮られる側に居るのも珍しいですね」

「まあな」

「父さん、こっちこっち」

「ああ、分かったよ。ミツル」





「それじゃあ撮りますよー」



ジーーーーーーーーーー



「はいチーズ!」







カシャッ!








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