10×40
□世界の破壊者
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「はあぁっ!」
「イーッ!」
「とうっ!」
「イィーッ!」
1号と2号が怒濤の勢いで戦闘員達を倒していく。
「くそっ!調子に乗るなぁぁぁぁぁっ!」
「「!ぐぁっ!」」
しかし、ショッカーグリードの散弾攻撃により1号、2号は観衆の方へ吹き飛ばされる。
「シャドウ剣!はあっ!」
「ぐわっ!」
「……ふんっ!」
「うわぁっ!」
ジェネラルシャドウのシャドウ剣とシャドームーンのシャドービームが炸裂し、オーズ、NEW電王も1号達のところへ転がっていく。
「フッフッフッ、どうやらこれまでのようだな。皆殺しだッ!構えよッ!」
「「「イーッ!」」」
『―――ライダーを守れッ!』
『守るんだッ!』
満身創痍の状態の仮面ライダー達の前に、人々が次々と両手を広げて壁になっていく。
「たった4人だけでショッカーに歯向かおうとした、自分達の愚かさを憎むんだな」
『そいつはどうかな?』
「何!?」
ジェネラルシャドウの言葉を否定するように、何処からともなく声が聞こえてきた。
『仮面ライダーは4人だけじゃ無いぜ』
『Hyper Clock Over!』
電子音と共に現れたのは、過去の世界に取り残されたはずのディケイド・コンプリートフォームだった。
「士さん!?」
「ディケイド!」
『お前、一体どうやって!?』
「時を越えられるのは電王だけじゃ無い、ってことだな」
そう。ディケイドはカブト・ハイパーフォームの力を使い、時を越えてやってきたのだ。
「ディケイド!」
そんな中、ミツルが大声を上げる。
「このカードを……ナオキからの想いを、受け取ってッ!」
そう言うと、ミツルはディケイドに向かってカードを投げる。
「―――これは……」
ディケイドが受け取ったカードには、既に絵が浮き上がっていた。
「おのれディケイドォォォォォッ!」
そう叫んだのは、いつの間にかショッカーの怪人の中に紛れ混んでいた鳴滝だった。
「何故だッ!40年前に1号、2号はショッカーグリードに敗れ、仮面ライダーは歴史から消滅したはず!なのに……何故貴様が生きているッ!」
「それは、想いの力だ!」
「想いだと!?」
士は言葉を続ける。
「歴史とは想いが紡ぎだすもの。人々の想いがあるからこそ歴史は生まれ、そこから続いていく。お前のようにいくら歴史を改竄しようとも、人々の"仮面ライダーを愛する気持ち"が消えない限り、"仮面ライダーを望む気持ち"がある限り、俺達は何度でも蘇るッ!お前達の野望を阻止する為になッ!」
『kamen ride ―――』
士はディケイドライバーにカードを入れる。
「お前は……お前達は一体なんなんだァァァァァッ!」
「俺は―――いや、俺達は仮面ライダーだッ!よく、覚えておけッ!」
『All Rider!』
辺りに電子音が鳴り響くと、ディケイドの背後に銀色のオーロラが現れる。そして、奥から歩いてくる無数の人影が見えてきた。
「おおっ!あれはッ!」
オーロラの向こうから現れたのは、歴史の改変によって消滅したはずのライダー達だった。
「皆、行くぞッ!」
『『『『『応ッ!』』』』』
「よし、俺達も行くぞ!」
「「応ッ!」」
「あっそうだ―――皆さんありがとうございます!」
オーズは自分達を助けてくれた人達に感謝の言葉を述べる。そしてディケイドを先頭に、仮面ライダー達はショッカー怪人に向かって走り出した。
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