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□カルテット・心の声を聞け
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「「…………ふははははは。はははははは!」」





それに対し、1号、2号は突然笑い出した。

「何?何のつもりだ?」

「ショッカーに、正義などあるものかッ!」

「この世の悪は、全て俺達が砕くッ!」

その言葉に、怪人達だけでなく、観衆やモモタロス達でさえも呆気に取られた。

「貴様ら……裏切るつもりか?」

ショッカーグリードが声を低くして問う。

「私達は始めから、ショッカーに忠誠など誓ってはいない!」

「仮面ライダーを愛する者の想いを、甘く見ていたな。心あるショッカーの科学者が、俺達の洗脳を解いてくれたのだ!」

「何!?」

「私達は洗脳されている振りをして、貴様が現れるのを待っていたッ!」

「じっと悪の汚名に、耐えながらなッ!」



ワアァァァァァァァ!!!



1号、2号の言葉に観衆が沸き立つ。

『いいぞ、ライダー!』

『頑張って!』

その様子を見て、ミツルの顔から笑みが零れる。

「ええい!黙れッ!」

ショッカーグリードの言葉は届かず、辺りは一層歓喜の声に包まれる。

「行くぞ!」

「応!」

観衆の声を背に、1号と2号は怪人達に向かっていく。

「てりゃあっ!」

「はあっ!」

「イーッ!」

1号と2号は怒濤の勢いで戦闘員達を凪ぎ払う。

「「はあぁぁぁっ!」」

「ぐっ!」

2人の同時攻撃がショッカーグリードに当たり、ミツルから手を放す。

「早く逃げるんだ!」

「うんっ!」

ミツルはベルトを持って逃げる。

「させるか!ベルトをよこせ!」

しかし、怪人の1人に捕まってしまった。

「ライダーに、届けて!」

ミツルは自らの想いを込めて、大衆が居る方へベルトを投げる。

「よこせ!」

他の怪人の1人がベルトが落ちた方へ向かっていく。
そして、地面に落ちていたベルトを拾おうとした寸前、誰かに横からベルトを奪われる。

「何!?」

「ライダーに届けて!」

ベルトを拾った女性は、また別の大衆が居る方へ投げた。

「このっ……!」

『行かせるか!』

『皆!やっちまえ!』

「ぬぉっ!?」

周りにいた観衆が怪人達を取り囲む。

『皆、仮面ライダーを助けるんだ!』


オォォォォォォォ!!!

先程の女性の行動を皮切りに、大衆が怪人達の居る方へ走り出した。







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