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□裏の裏の裏
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「ふんっ!」

「うわっ!」

「ぬおっ!」

洞窟の外までやってきたショッカーグリードは、2人を地面へ投げ出す。

「!?電王!」

湖を見ていたナオキ達は、急に現れたNEW電王を見て驚きの声を上げる。

「はあぁっ!」

「うわぁぁぁっ!」

ショッカーグリードの羽の散弾をくらったNEW電王は、その衝撃で変身が解けてしまった。

「幸太郎!」

「お兄ちゃん!」

モモタロスとナオキ、ミツルが幸太郎に近付いて来る。

「ショーッカー!」

ショッカーグリードの声を聞いて、湖からバズーカを背負った亀の怪人――カメバズーカ――が現れた。

「メーガーッ!」

するとカメバズーカは、背中のバズーカでデンライナーに向かって砲撃を始めた。





――デンライナー車内――

「オーナー、攻撃されとるで!」

既に、デンライナーの至るところから火花が散っていた。

「このままでは、デンライナーが危険です。発車するしかありません!」

オーナーは壁に掴まりながら答える。

「えっ!?でも先輩達がまだ!」

「やむを得ません!」





カメバズーカから攻撃を受けているデンライナーは、ゆっくりと走り出した。

「皆、早く乗って!早く!」

出入口からナオミが顔を出し、外にいるモモタロス達に向かって呼びかける。

「お前ら、行くぞ!」

モモタロス達はデンライナーに向かって走り出す。

「おっと、先へは行かせないぞ」

しかし、その前にショッカーグリードが立ち塞がる。

「ちっ!」

「まとめて始末してやる。はあっ!」

ショッカーグリードの散弾攻撃が再び襲いかかる。

「危ない―――がぁっ!」

ショッカーグリードを追ってきた1号と2号がモモタロス達の盾となり、攻撃をまともにくらう。

「1号、2号!」

2人はそのままモモタロス達の方へ吹き飛ばされる。

「ライダー!」

1号、2号の下へ駆け寄るナオキ。

「き、君達は早く逃げるんだ」

1号はよろめきながら立ち上がる。

「あの野郎っ!」

「待て!」

モモタロスがショッカーグリードに向かって行こうとするのを2号が止める。

「ショッカーグリードは俺達が倒す!行くぞ!」

「おう!」

「1号!2号!」

1号、2号はショッカーグリードに向かって行く。そして、ショッカーグリードに掴みかかり、その動きを止める。

「今の内に、早く!ナオキ君達を頼む!」

「1号……わかった!」

幸太郎達は子供達を連れてデンライナーへ走った。

「メガ?メーガーッ!」

すると、カメバズーカは標的をデンライナーから幸太郎達へと移す。

「ぐっ!」

吹き荒れる爆風のせいで、思うように進めない幸太郎達。

「メーガーッ!」

「はあっ!」

「メガッ!?」

カメバズーカが何者かに攻撃され、砲撃が止む。

「ディケイド!」

それは、ショッカーグリードを追ってきたディケイドだった。

「お前ら、あの亀は任せて早く行け!」

「でも!」

「心配するな。はあぁぁぁっ!」

そう言うと、ディケイドはカメバズーカに向かって行く。

「皆、急ぐんだ!」

幸太郎の声で、一斉にデンライナーに向けて走り出す。

「ほら、早くしろ!」

デンライナーに着いたモモタロスは先に乗り込み、後から来る子供達を抱え上げて中に入れる。

「ふう、なんとか間に合ったな……」

「……!ライダーは!?」

ナオキの言葉に、皆が一斉に外を見る。そこに見えたのは―――

『ぬわぁっ!』

『ぐはっ!』

ショッカーグリードに一方的にやられる1号、2号の姿だった。

『ぐっ!……私達は、決して悪には屈しない!』

『例えどんなにやられようとも、正義は必ず勝つ!』

「ライダー……」

『ならば貴様らを、悪の前にひざまつかせてやる!はあっ!』

『がぁっ!』

形勢は変わらず、ライダー達はなす術もなくやられていく。
その光景を、幸太郎達はただただ見ていることしか出来なかった。

「…………、ライダーッ!」

遂に我慢出来なくなり、ナオキがデンライナーから飛び出す。

「ナオキ!」

「行っては駄目だっ!」

「オーナー!止めて!」

「止めろ!おっさん!」

幸太郎とモモタロスはオーナーにデンライナーを止めるように言う。

「無理です!既にデンライナーは、爆発寸前です。もう制御が効きません!」

オーナーの言葉を肯定するように、デンライナーの至るところから火花が散り、煙が出る。

「ナオキ君!」

それを聞いて、ナオキを連れ戻そうと出口へ向かう幸太郎。

「待つんだ、幸太郎!」

「テディ!?」

「私が……ナオキ君を助ける!」

「!」

テディはそう言うと、幸太郎に代わってデンライナーから降りる。

「テディ!」

テディはそのまま、ナオキ君が走っていった方向へ向かっていった。

「テディ……テディーーーッ!」

デンライナーは煙と火花を上げながら、空の彼方へ消えていった。






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