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□敵か味方か
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「……もう撒いたかな?」
オーズは再びタトバコンボへと戻り、辺りを見回しながら3人と一緒に走っていた。
「お兄ちゃん、前!」
「え?」
ナオキに言われて前の方へ振り向くと、等身大もの大きさのトランプが回転しながら飛んできた。
「危ない―――ぐわっ!」
ナオキ達を庇ったオーズはトランプに当たり、変身が解けてしまった。
「お兄ちゃん!」
ナオキ達はオーズに駆け寄る。
飛んでいたトランプは地上に降り、その場で回転し始め、やがて人の形に変わった。
「お、お前は……」
映司が声を振り絞って問いかける。
「我が名はジェネラルシャドウ」
「……ジェネラル、シャドウ?」
「まだこの世に仮面ライダーが居たとはな」
そう言うと、ジェネラルシャドウはゆっくりと映司達に近づいていく。映司は3人を庇いながら後ろへと下がる。
「……皆は逃げるんだ」
「もう無理だよ!」
「これ以上やったら、お兄ちゃんも死んじゃうよ!」
弱気な声で逃げるように言うナオキ達。
「……今結構ドン底だけど、この手まだまだ届きそうだ。だから、やってみるよ」
「お兄ちゃん……」
「伸ばせる手を伸ばさなかったら、きっと死ぬほど後悔する。だから、最後まで諦めちゃ駄目だ!」
映司は正面を向きながら、そう叫んだ。
「その威勢いつまでもつかな?」
ジェネラルシャドウがそう言うと、続々とさっき撒いた戦闘員達が集まってきた。
「シャドウの生き甲斐は仮面ライダーの死。とどめだッ!やれッ!」
「「「イーッ!」」」
ジェネラルシャドウの合図で戦闘員達が一斉に映司達に襲いかかろうとした、その時―――
ファァァァァン!
汽笛と共に、空からデンライナーが現れた。
「あれは、デンライナー!?」
デンライナーは真っ直ぐと映司達の方へ向かってくる。
「むっ!させるか!"トランプショット"!」
ジェネラルシャドウが攻撃を繰り出すが、走ってきたデンライナーが映司達の壁となり弾かれてしまった。
そしてデンライナーが通り過ぎると、辺りには誰も居なくなっていた。
「……逃げられたか」
そう呟くと、ジェネラルシャドウは戦闘員と共にその場から去っていった。
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