The Golden Darkness

□first contact
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ドスンッ!!

「うわああぁあああぁ!」

ザシュッ!!

「ひええぇえええぇ!」

ドォンッ!!

「のおおぉおおおぉ!」

奇声を上げながらヤミの攻撃を避けていくリト。その異常な回避能力はララが起こした幾度ものトラブルを乗り越えてきたお陰であるというのは、本人からすればまったくもって不本意であろう。

「と、とにかく逃げないと!」

そう言うや否やリトはヤミから一目散に逃げ出す。

(対象は唯の一般人、そう聞いていたのですが……)

予想以上に回避された為、少し思案顔になるヤミ。
するとそこへ高校生くらいの四人組の集団が歩いてきた。

「今日はおめーらに、オレのナンパテクを見せてやろう」

「おぉ!弄光先輩、くじ引きで当てたリゾートチケットをナンパに使う気だぜ!」

「ムッ。さっそく金髪少女発見。ヘイッ!君!」

その内の一人が迂闊にもヤミに近づく。

「オレとリゾート行かない?」

「スゲェー!直球だ!」

「流石先輩!俺達には出来ないことを平然とやってのけるッ!」

「そこにしびれる憧れるゥ!」

やたら歯を光らせた青年がヤミの肩に手をかけながら話しかけ、その取り巻きがそれを煽る。

「お断りします」

「え?」

ヤミはキッパリそう言うと、青年が持っていたチケット(とついでに青年の髪の毛)を瞬時に切り刻んだ。

「ノォォォォォッ!!」

「「「せ、せんぱぁぁぁいッ!」」」

騒ぐ青年達を尻目にヤミは再びリトを追いかけ始めた。





「はぁ…はぁ…はぁ…。やっと撒いたか……。」

路地裏に入ったリトは、壁を背もたれにして座り込み安堵の息を吐く。

「此処まで来れば、大丈夫だろ―――」

「無駄ですよ」

「―――へ?」

ズドォン!という破壊音と共に、ヤミが後ろの壁を突き破って現れる。

「いぃッ!?」

「あまりうろちょろと逃げないで下さい」

「(ッ!しまった!此処からじゃ逃げられない!)」

不覚にもそこは袋小路。リトに逃げ場はない。

「……何故、反撃して来ないのですか?」

ヤミが不意に口を開く。

「は?」

「あの時、私に気配を感じさせずに近付いたのは流石でしたが……」

「い、いや、あれはお前がたい焼きを物欲しそうな目で―――」

「流石でしたが!」

是が非でも認めない気のようだ。

「貴方は女子供にも手加減をするような人物ではないと、報告に聞いています」

「はぁ?何だそりゃ?」

「…………」

ヤミは再び思案顔になる。

「貴方はプリンセス、ララ・サタリン・デビルークとどのような関係なのですか?」

「ララとの関係?急にそんなこと言われても……」

そう言われて思い出すのは、リトの入浴中にお風呂にワープして来たこと、学校へ編入してきたこと、街を案内したこと、婚約者候補を語る宇宙人と対峙したことetc.

「(改めて思い返すとろくな思い出がねぇな)」

「……やはりそうですか」

「え?」

すると突然、ヤミはその金色の髪を巨大な手へと変身《トランス》させる。

「作戦変更です」

「一体何を―――ってうわッ!」

ヤミは変身させた手でリトを掴む。

――変身《トランス》・|天使の翼《エンゼルウィング》――

「うわあぁぁぁ!」

そして背中から白い一対の翼を出し、リトと共にその場から飛び去った。






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