10×40

□そしてライダーもいなくなる
1ページ/2ページ

――現代――



『ショッカーの世界征服を邪魔する愚かな人間ども、そして反逆者のライダーどもを殲滅するのだ!』

「「「「「イーッ!」」」」」

現代では、ショッカーによる人間狩りが始まっていた。

「うにゅー!」

「イーッ!」

「「えいっ!」」

「イィーッ!」

「笑いのツボ!」

「イッ!イーッイッイッイッイッイッイッ―――」

比奈の子供達は大きな壁を境にして、第2アジトに侵入してくる戦闘員を撃退していた。

『クワガタ!カマキリ!バッタ!―――ガータ ガータガタキリーバ ガタキリバ』

「うおぉぉぉぉぉっ!」

「「「イィーッ!」」」

壁の向こう側ではオーズ・ガタキリバコンボが何体にも分身して、戦闘員達を次々と倒していった。


ファァァァァン!


すると突然、上空で汽笛が鳴り響く。

「!デンライナーが!」

オーズが見たのは、至るところから火花が散り、今にも墜ちそうなデンライナーの姿だった。

「大変だッ!」

オーズは急いでベルトのメダルを差し替えた。

『タカ!クジャク!コンドル!―――タージャードルー』

オーズはタジャドルコンボへとコンボチェンジした。

「はあっ!」

そしてタジャドルコンボの固有スキルにより、オーズは空高く飛翔する。




「おい!幸太郎!もう飛び降りるしかねえぞッ!」

出口付近に居たモモタロスは、近くに居る幸太郎に言う。

「皆ーっ!」

そこへオーズが飛んできた。

「オーズ!ちょうど良かった!ミツル君を頼む!」

「わかった!」

オーズは幸太郎からミツルを受け取り、下降しようとした……次の瞬間―――


ドォォォォォンッ!


「うわぁぁぁっ!」

デンライナーから爆発が起こり、幸太郎とアンクが投げ出され、オーズも爆風に巻き込まれた。

「うわっ!ぐぅっ!」

オーズは自分を下にすることでミツルを守った。しかし、変身は解けてしまいベルトは放り出される。

「わぁぁぁぁぁっ!」

幸太郎は幸いにも木の上に落ちたことで衝撃を和らげたが、こちらもベルトを手放してしまった。

「いててて……ミツル君、大丈夫?」

「うん…………あっ!」

上空では、空中分解をしたデンライナーがそのまま跡形もなく爆発した。

「デンライナーが……」

「オーナー……ナオミ……」

『小僧!亀!熊公!くそぉ、なんてこった…………ってあれ?』

モモタロスが自身の異変に気付く。

『俺、左腕だけになってるじゃねえか!』

『フッフッフッ、いい格好だな』(右腕)

『何だと!?てめぇ!』(左腕)

「……!幸太郎、歴史の修復は!?」

右腕《アンク》と左腕《モモタロス》を他所に、映司は幸太郎に質問する。

「……失敗した」

「!そんな!」

「……それに、デンライナーが無いからやり直しも効かない」

幸太郎の言葉に、映司は絶望の淵に追いやられる。

「つまりは最後の手段を失ったという訳だな」

その言葉を聞いたのか、向こうからジェネラルシャドウが戦闘員を連れて歩いてきた。

「ジェネラルシャドウ!」

「……!ベルトをっ!」

「もう遅い」

ベルトの方を振り向くと、ジャーク将軍とアポロガイストが2人のベルトを拾い上げていた。

「終わりだ。引っ捕らえよ!」

「「「イーッ!」」」

「くっ、ミツル君だけでも逃がさないと!」

「モモタロス、頼む!」

『応よ!ミツル、こっちだ!』

「俺達は少しでも時間を稼ぐんだ!」

「分かった!」

映司と幸太郎が足止めをしている間に、モモタロスはミツルの襟元を掴んでアジトの方へ誘導する。

『これは返して貰うぞ』

「イーッ!?」

アンクはどさくさに紛れて、戦闘員に渡されていたオーズのベルトを奪い取る。

『おらぁーーー!』

「うわぁっ!」

モモタロスはミツルの服を掴み上げながら、アジトの皆が防衛戦を張っていた高い壁を飛び越える。

「ミツル!」

「ミツル君!」

「シゲル!比奈さん!」

『皆、逃げるぞ!』

モモタロスの言葉を合図に、皆一斉にアジトの奥へ走り出す。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ