10×40
□敵か味方か
1ページ/4ページ
――ショッカー本部――
「ショッカーの唱える未来とは、優秀な人間を選び、動植物の特性を持った怪人に改造し、世界を支配することである。いかがかな?諸君」
赤いマントを羽織ったショッカー首領が提案をする。
「ゲドンは、ショッカーの考えに賛成だ」
「デルザー軍団も賛成しよう」
十面鬼ユム・キミルとジェネラルシャドウが同意する。
「クライシス帝国と暗黒結社ゴルゴムは反対する」
ジャーク将軍は立ち上がりながら発言した。
「我々の目的は、全人類の抹殺だ!」
その言葉に大神官ダロムも頷き、周りもざわつき始める。
「ええい!今は争っている場合ではないのだ!」
その中、鶴の一声のようにアポロガイストの声が響く。
「アポロガイストの言う通りだ」
すると、アポロガイストの後ろで横たわっていたキングダークが引き継いで話し始める。
「今我々がすべきことは、大組織同士が手を握ること。GODはショッカーに賛成する。」
「……」
考え込むジャーク将軍を見て、ショッカー首領は再び口を開く。
「いかがだろう。世界征服の後のことは、また我々だけで決めればいい」
「……ならば、我々も賛成しよう」
そして、ジャーク将軍と大神官ダロムも同意した。
「今ここに、全ての組織はショッカーに統合され、世界の平和を乱す愚かな人間どもを排除することが決定した!」
――Amigo――
『―――以上が国連での決定です。繰り返します―――』
「ふんっ。要するにショッカー以外の人間は全て殺すってことか」
「どうしてこんなことに……世界はどこで間違ってしまったんだ」
アンクはどこか気に入らなそうに、映司は愕然とした様子で呟く。
「そんなこと言う人初めてだよ。お兄ちゃん達、何なの?」
子供たちの一人、ナオキが問いかける。
「あ、ああ、実は俺た―――」
「大変だッ!」
映司が答えようとした時、外からシゲルが大声を上げて走ってきた。
「シゲル、どうした!?」
「ショッカーの奴らが来る!」
「なんだって!?皆、隠れるんだ!」
その時、外から扉を蹴り飛ばしながらショッカーの怪人達が入ってきた。
「出てこい!不穏分子の一斉検挙だ、抵抗するな!」
そう言いながら続々と中に入ってくる。
「おい、ここで間違いないんだな」
「イーッ」
「そうか」
一歩、また一歩と奥へ歩いていく怪人達。
すると、奥から映司が消火器を持って現れる。
「このっ!」
映司が怪人達に向けて消火器を吹き付ける。
「うわっ、何だ!?」
怪人達は混乱していて、うまく動けない。
「皆、第二アジトに集合だ」
「わかった」
「ほら、お兄ちゃんこっち!」
ナオキが映司に声をかけると同時に、皆外に向かって走り出す。
「くそっ、追え!逃がすなッ!」
「「「イーッ!」」」
怪人の一人が声を上げると、戦闘員達が一斉に動き出した。
.