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□変わる運命
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「「「「「「…………」」」」」」

「……ほら、アンク謝れって」

「ふんっ」

アンクと映司はモモタロス達に囲まれて、責め立てるような視線を向けられていた。

「それでは、帰りましょう」

オーナーがその場を促し、一行は映司達の時代へと戻って行った。





――現代――



「時の列車、デンライナーかぁ……すごいなぁ」

映司は走り去っていくデンライナーをみて言葉をこぼす。

「アンク!俺たち時間旅行したんだぞ……ってどうしたんだ?」

アンクはしかめっ面をして、辺りを見ていた。

「……気に入らないな」

「?お前が何か気に入ることなんてないだろ?」

「……静か過ぎるんだよ。得体の知れない欲望が、他の欲望を抑えつけてる」

「?」

そこは、街の側とは思えないほどの静寂に包まれていた。





――デンライナー車内――



「まったく、人騒がせな野郎だったぜ!」

「まあまあ、何事もなくて良かったじゃない」

苛ついているモモタロスをウラタロスが宥める。

「それはそうと……お前ら何時まで居座る気だ!」

モモタロスは、我が物顔で居座っている士に向かって怒鳴り散らす。

「しょうがないだろ。家がここにくっついてるんだ」

士はカードを整理しながら、面倒くさそうに返事をする。

「お邪魔してしまってすいません」

「いやいや、夏美ちゃんが謝ることはないよ」

すまなそうにする夏美に優しくフォローするウラタロス。流石というべきかなんというか……。

「……」

「どうした?幸太郎」

表情の優れない幸太郎を見て、声をかけるテディ。

「ああ、いや。何でもない」

「そうか?なら良いのだが……」

しかし一向に幸太郎の表情は晴れない。

(何だ?この胸騒ぎは……嫌な予感がする)

その時、デンライナーが激しく揺れる。

「うわっ!」

「何やっ!何事やっ!?」

「うわ〜揺れる〜!」

「ちょっと、リョウタ押さないで!」

突然の事態に、一同はパニックを起こしていた。

「皆、落ち着け!」

「手すりか机に掴まるんだ!」

テディと幸太郎の指示により、皆身体を固定して揺れをしのぐ。
そしてしばらく揺れた後、揺れは次第に収まっていった。

「ふぅ、もう大丈夫みてぇだな」

「それにしても……今の揺れは何やったんや?」

「何か時間に大きな影響が出た、とか?」

モモタロス達は無事のようだ。

「いてて、何なんだ一体?」

椅子から落ちた様子の士。一応無事のようである。

「つ、士君!」

「ん?どうしたんだ?夏みかん」

「これ、見て下さい!」

夏美が指したのは、士が整理していたライダーのカードだ。

「どうしたって…………!?」

カードを見た瞬間、驚きのあまり目を見開く士。

「どうしたんだよ?」

「なになにー?」

モモタロス達も集まってくる。

「これは……」

「ライダー達の絵が……消えてる?」

士のカードからは、ディケイドと電王以外のライダー達の絵が消えていた。

「どういうことだ?一体なにが……」

「どうやら、大変なことになってしまったようですねぇ」

士達が唖然としていると、奥からオーナーがやってきた。

「大変なこと?」

「どういうことですか?オーナー!」

幸太郎とテディがオーナーに質問する。すると次の瞬間、オーナーの口から衝撃的な言葉が放たれた。

「おそらく……仮面ライダーが、歴史から消滅してしまったのでしょう」

「何だと!?」






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