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□繋がる過去
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――デンライナー車内――



「はい、コーヒーどうぞ」

「わーい、やったー!」

デンライナーの客室乗務員、ナオミがコーヒーを配っていき、それを紫のイマジン――リュウタロス――が最初に受けとる。

「ありがとう。……あれ?ナオミちゃん、カップが多くない?」

次に受け取った青いイマジン――ウラタロス――が、何時もより多いカップを見てナオミに問いかける。

「これはですねぇ、あちらのお客さんの分ですよ」

「お客さん?」

そう言うと、ナオミは奥に居る乗客にコーヒーを配りに行った。

「はい、どうぞ」

「あっ、ありがとうございます。」

そのコーヒーを受け取ったのは、先ほど乗り込んだ映司とアンクだ。

「あぁん?何なんだお前ら」

その二人を見て、赤いイマジン――モモタロス――が突っ掛かってきた。

「あ、いや、アンクが電王の仕事手伝えって言うから……」

「はあ?アンクだかタンクだか知らねぇが、余計なお世話なんだよ!」

「お世話だー」

モモタロスの言葉をリュウタロスが煽る。

「それと……」

モモタロスはそのまま振り返る。

「なんでてめぇまで居るんだよ!」

今度は、いつの間にか乗り込んでいた士に突っ掛かる。

「相変わらず騒がしい奴だ」

「あぁん!?やんのかコラァ!」

「ちょっと、落ち着いて!士君も喧嘩を売らないで下さい!」

喧嘩腰の二人を仲裁する夏美。

「落ち着きなよ、先輩。それで……君たちは何で乗ってるの?別に手伝いに来たとかじゃないんでしょう?」

「ああ。そこを開けてみれば解る」

士が指したのは、デンライナーの客車の後方の扉だった。

「?どういう意味だ、そりゃ?」

疑問に思いながらも、モモタロスは扉を開けた。

「なんだこりゃあぁぁぁ!!」

モモタロスの目の前には、一軒家の客間のような部屋が広がっていた。

「どうやら、デンライナーと光写真館が繋がってしまったみたいなんです」

夏が補足で説明をする。

「ふむ。よく来たな、家臣どもよ」

「あ!手羽野郎!なんでてめぇまでいやがる!」

「ああ。そいつ、こっちに紛れ混んでたんだ。引き取ってくれ」

「こっちだって願い下げだ!」

「家臣ども、苦しゅうない」

「お前は黙ってろッ!」

「あはは。何か賑やかだな、アンク」

「映司、あの出来損ないのヤミーを黙らせろ。さっきから煩くてイライラしてくる」

「誰が出来損ないだ!?誰が!」

「否定するのはヤミーの方でしょう?前半は合ってるし」

「ああ、確かに……ってどういう意味だ、亀!」

モモタロス達が騒いでいると、前の扉からオーナーが現れた。

「乗ってしまったからには、仕方ありませんねぇ」

そう言いながら、持っていたステッキでモモタロスとウラタロスの取っ組み合いを止める。

「しかし、過去への介入は絶対に許しません」

今度はアンクと映司を見ながら話す。

「場合によっては、とんでもないことになってしまいます」

「そうなんですか!?」

オーナーの言葉に驚きの声を上げる映司。

「ええ。ですから、絶対にデンライナーからは……降りないで下さい」

オーナーは再び、特にアンクを諭すように、忠告をした。






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