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□フォーゼの世界3
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――ラビットハッチ――



「弦太郎の話から察するに、復讐という線は薄いな」

帰ってきた弦太郎達を出迎えて大体の事情を聞いた後、賢吾が話を切り出す。

「え?何でだよ」

「もし復讐が目的だというのなら、正体を隠したりせずに相手に自分の存在を誇示するはずだ。そうでなければ、"自分の手で相手を制裁した"という実感を得られない」

「確かに。今までのゾディアーツ化した生徒の中にも、そんな感じの人は居たわね」

賢吾の推測に肯定の意を示す美羽。

「じゃあ、目的は別にあるってことか?」

「ああ。それなら、関係ない生徒に罪を擦りつけようとするのにも説明がいく」

「何なんだ?その目的ってのは」

弦太郎が賢吾に問いかける。

「さあな。そこまでは分からない」

「分からないって……はぁ。士もどっか行っちまったし、八方塞がりかぁ……」

結局話が振り出しに戻り、思わずため息がでる弦太郎。

「いや、そうでもないぞ」

「え?」

「居るだろ?お前が言っていた人物の中で一人、唯一誰にも疑われずに飯塚に罪を押し付けられる奴が」

「…………ッ!前田か!」

弦太郎は大声を上げて立ち上がる。

「よし!そうと決まれば前田の奴をとっちめて来るぜ!」

「あっ!弦ちゃん待ってぇ!」

弦太郎は駆け足でラビットハッチを飛び出して行き、ユウキも慌てて後を追った。

「おい弦太郎!……まったく、まだ確証は無いっていうのに」

「まあ、いいんじゃない?それより私達はゾディアーツの解析を続けましょう」

本日二度目の光景を見て思わず呆れる隼を促し、美羽はゾディアーツの映像に目を移す。

「しかし、これと言って目新しい情報は無いと思うが」

賢吾はそう言いながらも映像を見る。

「………………」

「?どうした野座間」

「……このゾディアーツ、何か変」

「何だと?」



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