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□フォーゼの世界
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「学園祭キターッ!」





天ノ川学園高校のとある教室で、学園の制服とは違う黒い学ランを着たリーゼントヘアの男子生徒『如月弦太郎』が、朝からハイテンションに叫んでいた。

「うるさいぞ、弦太郎」

近くの席に座っている真面目そうな男子生徒『歌星賢吾』が弦太郎を諭す。

「うおっ、わりぃわりぃ。でも考えてみろよ!もうすぐ学園祭だぜ?テンション抑えろって方が無理な話だ!」

「まったく、お前という奴は……」

「でも、弦ちゃんの気持ちも分かるなぁ。学園祭っていえば、高校生活きっての大イベントだからね」

そう話すのは、天真爛漫という言葉を体現したような女子生徒『城島ユウキ』だ。

「そうだろそうだろ!?やっぱりここは、仮面ライダー部も学園祭で何かするしかねぇ!」

「おぉっ!それいいね!」

「だろ?ユウキもやっぱりそう思うよな!」

「お前ら……いい加減先生が来るぞ」

「あっ、そっか。……でも園田先生遅いね。どうしたんだろう?」

本来なら今はHRの時間なのだが、担任である『園田紗理奈』が不在の為待ち惚けを食わされているのだ。すると、教室の外から廊下を走る音が聞こえてくる。

「ごめんね遅くなって!」

ガラガラガラッと教室の扉を開け、先程話題に出ていた園田先生が息を切らしながら入ってくる。

「えー、さっそくHRを始めたいのですが、その前に転校生を紹介します」

「「「「「転校生!?」」」」」

先生の言葉を聞き、教室の中が慌ただしくなる。

「この学校転校生が多いな」

「お前が言うな。転校生一号」

「どんな人かなぁ?」

突然の知らせに、クラスの生徒のざわめきは止まらない。

「はい皆静かに!それじゃあ門矢君、入って来ていいわよ」

クラスを静めた園田先生は、廊下に待機させていたのであろう転校生を呼ぶ。その言葉が聞こえると、教室の扉が再び開けられて外から一人の男子生徒が現れる。

「……」

その転校生は無言のままチョークを手に取り、黒板に自分の名前を書く。

『門矢士』

こう書き終わると、転校生は反転してクラスメートの方へ向く。

「俺の名前は門矢士。例え制服でも完璧に着こなす男だ。よろしくたのむ」

「「「……」」」

その瞬間、クラスが沈黙に包まれる。

「え、えっと、門矢君の席は一番後ろに用意しておいたから」

しかし何となく二度ネタ感がしたせいか、いち早く我に帰った園田先生がその場を収める。

「ではHRを始めます。今日の予定は―――」






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