ケンカの怪物ちゃん

□となりの吉田くん
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「ハァハァ……っ、ハァ…………っさてと、そろそろ教室に戻らないと」


そう呟いて私は気絶して倒れている男子生徒達の上を飛び越えた。





私は昔からこの髪の色でいじめられていた。

だからこの髪を黒や茶色に染めようとした。

でも、お母さんにバレて止められた。

すごく怒られた。

怒ってるお母さんは初めて見た。

あんなに長い説教を二度も聴くのは御免だから染めることは諦めた。

私はすごく考えた。

どうすればいじめられないようになるのかを。

答えは簡単に見つかった。

“強くなればいい”

それが私の考えに考えて導き出した答え。

我ながら素晴らしい答えだと思った。

次の日、私は、悪口を言ってきた奴らをなぐった。

人をなぐるなんてしたことが無かったから弱かったかもしれないと思ったけど、相手は簡単に倒れた。

所詮はザコだったんだと分かって、呆れた。

私はこんなザコい奴らに泣かされていたのだと。

そのまた次の日、私は他の奴らにケンカを売られた。

もちろん買って、そいつらにもあっさり勝利した。

それからは、いろんな奴らにケンカを売られた。

全て私の圧勝だった。

ザコ共が担任にチクったこともあったけど、お母さんもお父さんもいつも旅行でいないから二人にバレることはなかった。

でも、これからバレるのは面倒だと思い、それからは口止めをするようになった。

中学に入ってからはケンカばかりするようになった。

授業にはちゃんと出てたけど。

友達は、相変わらず一人しかいなかった。

この頃は、別にいてもいなくても関係ないけど雫は私の味方みたいだからいてくれると落ち着くのかも、としか思っていなかった。

そして高校に入った。

雫と同じ松楊高校。

ここでもまた3年間ケンカばかりの日々が続くと思うとウンザリするけど、いじめられないようにするにはこれしかないから仕方がない。

でも、雫と同じ学校に入れたのはラッキーだと思う。

やっぱり、味方がいるといないのとでは違うと思うし。

高校生活くらいは楽しみたい。

友達をたくさん作ってたくさんのことを経験して。

それから、友達とバカみたいにはしゃいで、皆一緒に怒られて……っていうよくあるような感じのにもちょっとだけ憧れてたりする。





高校3年間が私にとって良い物になれば良いな。
 
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