短編
□"サンタクロース"って……
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今日は、待ちに待ったクリスマス!!
そして私と燐は、サンタクロースの正体について議論をしていた。
「やっぱりサンタさんは中年のおっさんだって!!」
「違うよっ!! はぁ……燐は何も分かってないんだから……。あのね、"サンタさん"っていうのはね、中年のおっさんに見せかけた超イケメンなお兄さんなんだよ。」
「そんなわけねぇだろっ!! サンタさんは、絶っ対そこら辺を歩いてるリストラされた中年のおっさんだっ!! プレゼント配りはおっさん達の内職なんだよっ!!!」
「だから違うって言ってるでしょっ! サンタさんは、絶っ対超高級ホストクラブでNo.1ホストな超イケメンのお兄さんだよっ!! ていうか、『内職』って誰から金貰ってんのさっ!!!」
「『誰から』とか知らねぇよ!!!」
「知っとけよ!!!」
「うるせぇよ!! 大体名無しが言ってるのは間違いなくサンタさんじゃねぇよっ!」
「燐が言ってる"サンタさん"の方が間違ってるてるんだよっ! 燐はそろそろ現実の"サンタさん"に気付いた方がいいよ。ほら、現実に戻って来ーい。」
「名無しの妄想ワールドになんか行きたくねぇよっ!! むしろ名無しが現実に戻って来い!」
「『妄想ワールド』だなんて失礼すぎるっ! 燐……許すまじ……!」
「本当の事を言っただけだろ!」
「違うもん! でも、『妄想ワールド』を1億歩譲って認めたとしても、燐だって人の事言えないじゃん!!」
「俺は名無しみたいな変な自分の世界は作ってない!!」
「作ってるよっ!! "厨二ワールド"という名の世界をなっ!!!!」
「作ってねぇよっ!!! 自信満々に答えすぎだっ!! 俺と名無しを一緒にすんなっ!」
「一緒だよっ!!」
「どこがだよっ!!」
「頭悪いとことか頭悪いとことか頭悪いとことかだよっ!」
「俺は名無しよりはテストの点いいっ!! だから、俺と名無しは一緒じゃないっ! 名無しの方がそろそろ現実に戻って来い!!」
「……二人とも……現実に戻って来なさい!! 今は授業中ですよ!!」
「何? どうしたの? 雪男サンタさん。」
「誰がサンタですかっ!!」
「雪男の事だろ。」
「兄さん……何で笑ってるの。」
「べ、べべべべ別に笑ってなんか、ね、ねぇ……よ。」
「うん。嘘吐かなくていいよ、兄さん。」
「ねぇねぇ、雪男サンタさん。何かプレゼント頂戴。あ、そういえばまだ、私の欲しい物言ってなかったね。えーっと、私の欲しい物はねぇ………………現金! かなっ。」
「名無しさん、満面の笑みで答えないでください…………撃ち殺されたいんですか?」
「ちょ、満面の笑みで銃構えないで! 雪男の殺気尋常じゃない! ……やだ、何これ怖い。いじめ? 燐! 助けてよっ!!」
「嫌だ。」
「即答かよっ!! 何でっ!?」
「だって、雪男怖ぇーもん。」
「お兄ちゃんだろっ! しっかりしろっ!!」
「名無しさん、兄さん。」
「「な、何/だ?」」
「サンタクロースの正体は両親ですよ。」
「………………え……? ……そ、そんな……バカな……!」
「う、嘘……だろ……?」
「本当ですよ。なので、そんな世界が滅亡する3秒前のような顔をしないでください。……では、サンタクロースの正体も分かった事ですし、撃ち殺されたくなければ真面目に授業を受けてください。二人とも。」
「「………………。」」
……スゥ……
「「雪男サンタのバカァァァアアアアアア!! "サンタ"じゃなくて"サタン"だァァァアアアアアア!!」」
授業終了後、私と燐は、雪男サタンから半日以上説教をされ続けたのであった。
人生で一番最悪なクリスマスだ……泣