DOKI-WAKU-BOOK U
□ずっとあなたを追いかけて
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嵯峨先輩・・・。
あの日、図書室で会ったのは偶然じゃなかった。
俺は先輩がいつもいるから、それが分かっていたから、毎日図書室に通ってたんです。
だけど、ずっと知らん振りでしたね。
俺ね、その時本棚に隠れて泣いてたんです。
本当は先輩に見つけてほしかったのに・・・。
他の生徒に大丈夫・・・?って。
俺ばっかり先に走ってしまって。
急にいなくなったのも、試してみたかったんです。
先輩を・・・。
探してくれるかなって。
探してくれなくても、どこかで待っててくれるかなって。
十年も経ったのに、いまだに俺はあなたを追いかけている。
もうすぐ、本当の気持ちを打ち明けられそうです。
高野さん、好きです・・・って。
END