DOKI-WAKU-BOOKV

□ライスシャワー
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校了明けの休みの日。
俺は高野さんに言われるがまま、なぜか散歩に付き合っていた。
「退屈しのぎ・・・」
「何ですか、それ」
「いつものお前が見られるからな」
・・・って、仕事中の俺はものすごく殺気立ってるらしく。
高野さんに真正面から対抗出来るのは俺だけだ・・・と、
他の部署からあれやこれやとややこしい仕事を持って来るのだ。
歩きながらもそんな事ばっかり考えてたら・・・。
小高い丘の上から白いチャペルが見えた。
華やかな衣装を纏った人々が見える。
「結婚式か・・・」
高野さんの声に何故だかハッとする。
「いいもんだな」
羨ましそうな声。
その横顔は、今まで俺が見た事のないような爽やかな顔。
他人の・・・なのに祝っているのが分かる。
あんたは大人だから、簡単に何でも出来るんだろうけど・・・
でも俺は・・・。
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