Natsuki Fujino

□雪が積もった日
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『うんめー!』
『食うぞ食うぞー!』
『腹減ったぁー!』

窓の外を見てみる。雪が積もっていた。
雪が降る事はあっても、これだけ積もるのは珍しい。

ユリ『お待たせー』

ユリとマネージャーが、ドリンクバーから飲み物を持ってくる。
今日は、野球部の皆で近所のファミレスに来ていた。
昨晩から雪が降り、朝になった時点で積もっていた。当然、グラウンドは使えない。

『雪だるま作ろうぜ!』
『いや、雪合戦だろ』
『かまくら作れるんじゃね?』

雪が積もるのが珍しい事もあり、部員達がはしゃいでいる。
このまま外で遊ぶ事になりそうだったが、ユリの

『気分転換にファミレス行かない?先生が奢ってくれるって』

という鶴の一声によって、現在に至る。
出費が増えるのは痛いが、グラウンドで雪だるまなんか作っている所を見られたら、何を言われるか分かったものじゃない。

ユリ『はい、先生』
なつき『うん』

置かれた紅茶から湯気がのぼる。
一口飲んでみた。身体が暖まる。
ユリが私の隣に座った。携帯電話を操作している。
ふと、ユリの表情が変わった。

席を立ち、何処かへ行ってしまった。
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