短編

□Unpainted Face
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『双熾っ』


ソファーに座る彼の肩を、後ろから抱きしめる。

すると彼は、一瞬だけびっくりした表情を浮かべるのだ。
いつも、本当に少しだけ見せるそれが、私は好きだった。


「白刃様、どうなさいました?」


すぐにいつもの余裕のある微笑を向けてくる。

彼は、自分から触れることは慣れているらしい。

けれど、私から触れることには慣れないようで。
とたんに完全無欠な私のSSは、無防備になる。

それがたまらなく愛しい。


『うーん。好きだなあって、思って』


ぎゅっと腕に力を込めると、彼は控えめに頭を私の頭に預けた。


「僕は、1分1秒ごとに白刃様のことが愛しいと感じています」


それ、大げさな気がする。
照れ隠しにつっこむと、全てわかったような顔をして、彼は笑うのだ。


そうして私の頬にキスを落とし、告げる。


「大好きです、白刃様」




 

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