Kira's LoveStory*

□恋しちゃいました!
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ザフト軍本部に内接されたカフェテリアに昼食を取りに入ったディアッカは、常とは異なる空気に足を止めた。

交代で食事を取りに来ている軍人たちの視線が一様に集まる先、そこには白い軍服を纏うキラがいた。


ぼんやりとプレートに乗せられた食事に手をつけるでもなく、フォークで遊びながら窓の外を見ている彼は時折、思い出したようにポヤンと可愛らしい笑みを浮かべ、周囲にいる輩を虜にしていた。

まるで狼の群れの中に紛れ込んだ羊のようだ。と、
ディアッカは苦笑しつつ、キラの座るテーブルへと近づいていった。

「よっ!キラ」
「...っ、ディアッカ。今からお昼?」
「ああ、つーか何?悩み事でもあんの?」

向かいの席にドカッと腰を下ろしながら問いかけると、キラはジュースのパックを手にしながら呟いた。

「えと、悩みっていうか...。ただ、人は見かけによらないなぁって思って」

相変わらず突拍子もないことを考える奴だとディアッカは可愛い弟分を見やる。

「人は見かけによらないって、そりゃお前のことだろ」
「えっ?僕ですか?僕は見た目そのまんまでしょう?何言ってるんですか?やだなぁ」

あはは、と笑い飛ばすキラにディアッカは軽く脱力した。
こいつは自分のことをよく分かってないらしい。

そんな可愛い顔してMSの腕は最強だなんて、初対面の人間のどれぐらいが信じるだろうか。
否、信じる者などゼロに等しいのではないか...。

現にディアッカでさえ、先の大戦でストライクのパイロットがキラだと知った時の驚愕はいまだに忘れられないのだ。

マジで人は見かけによらねぇ。と、ディアッカはズコココと音を立ててジュースを吸い上げるキラを眺めた。
その視線に気づいたキラはストローから口を離すと思い出したように付け足した。


「ディアッカも見た目そのまんまですね」
「...は?」

何か癪に障る気がしないでもないが、ここはキラの笑顔に免じて許してやることにした。
それよりも今はキラの心を支配しているモノに興味があったから。

予想が間違っていなければ、多分アイツだろう。

「それで?その、人は見かけによらないって話。ぶっちゃけイザークのことだろ?」
「うわっ!?なんで分かったんですか?」
「ハハ、当然!だって最近お前、イザークとよく一緒にいるしさ」

予想は見事に的中したらしい。
案外キラの心は分かりやすいのかも知れないなとディアッカは目の前のキラを探るように見つめて、さらに突っつきに出た。

「キラ、イザークが気になるのか?」
「ん〜?気になるっていうのかなぁ...。一緒にいるとね、僕の知らないイザークの顔が色々見れて楽しいし、見つける度に嬉しくなるんだ」
「それって、イザークのこと好きって言ってるようなもんじゃねぇの?少なくとも俺にはそう聞こえる」
「えっ!??好き!?や、あの...」


ぷしゅう〜と湯気を上げそうな勢いで真っ赤になったキラを見てディアッカは盛大に笑った。
イザークも凄い奴に好かれたなぁ、と。

ようやく蕾を見せた小さな恋が大輪の花を咲かせるかどうか...。

未来なんて分からないけれど、二人の今後がどうなるか見届けてやるのも悪くないかとディアッカは一人、ほくそ笑んだ。



continued...?

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