Kira's LoveStory*
□Praises innocently
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戦後、プラントのザフト軍本部に赴いたキラは、そこで懐かしい人物を見つけた。
相変わらず肩口で切り揃えられた銀髪が綺麗で、一目で彼だと分かった。
「イザーク!久しぶり!」
声をかけながら走り寄ると、彼がこちらを振り返る。
その身のこなしさえも綺麗で、気品が溢れていて、とても彼らしいと思った。
「!?キラ・ヤマト?何故、お前がここに居る?」
「何故って、ラクスの護衛に来たんだ。聞いてない?」
イザークは暫し沈黙する。
最近の報告や連絡事項を頭の中で整理してみるものの、プラント最高評議会議長ラクス・クラインの護衛者の話など一切なかったはず。
「俺は聞いてないぞ!しかも、お前ごときが護衛だと?はっ、ザフトも堕ちたものだな」
あまりにもな言い方にキラはむっと頬を膨らませた。
「それって酷くない?仮にも白服に向かって」
「何っ!!?」
「ラクスが言ってたんだけど、白服って上官服なんだよね?」
イザークは信じられない様子で、キラが着ている軍服を改めて凝視する。
その色は確かに”白”。
隊長クラスの者のみが着ることを許される色。
「そんなに驚かないでよ、僕だっていきなりこれを渡されちゃって、戸惑ったんだから」
「.........。」
「大体こんな窮屈な軍服、着るの嫌いなんだよねー。それに...」
キラはちらりとイザークを見上げて言った。
「...イザークのほうが似合ってるしね!」
「なっ!!」
その日、ザフト軍内では貴重なジュール隊長の赤面姿が見られたという話題で持ち切りだった。
end.
@2006.10.25#改訂2009.6