Kira's LoveStory*

□Such every day
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「…おい、キラ。」
「ごめんイザーク。ちょっとこのままでいさせて?」

イザークの胸に顔を埋めるキラに、何かあったのは明白で。

「まったく、おまえは”赤”という自覚がないのか?他の奴らに示しがつかん」
「ん…ごめん」

口では悪態をつきながらもイザークは優しくキラの髪を梳いてやる。
キラはそんな彼にいつも甘えてしまうのだ。

(ダメだなぁ...僕)

わかってはいるのだけど今更やめることなど出来なかった。
居心地の良さを知ってしまったから...。

「で?今回は何があった」
「……アスランと喧嘩した」
「またか…そんなに辛いことなのか?ただの幼なじみだろう」
「そうだよ、だけど親友だもん」

口を尖らせて怒るキラは子供じみていて、だがその仕草さえも可愛いと思ってしまうのは重症なのだろうか?
イザークは内心自嘲する。

「…キラ、お前には俺がいる。奴も毎度のパターンで謝ってくるんだ。そう落ち込むな」
「うん、ありがとう。イザーク大好き」
「調子いい奴だな」
「ヘヘ」

イザークはすっかり機嫌を直したキラを見つめていたが、一つ引っかかる事があった。
それは常々感じていた事なのだが...。

「キラ、俺の前でアスランのことはもう話すな」
「へ?...なんで?」
「......」
「...え〜!それってもしかして、ヤキモチ?」
「なっ!?違うわッ!!」

慌てて否定するのが、そうだと言っているようなものだろう。
彼がこんなふうに焦る姿は滅多に見られない。

「…イザークが、ヤキモチ!」
「っ!お前は俺を何だと思っている!」
「だって!いつも俺様なイザークが...ヤキモチだなんて!可愛い〜!あははっ」

可愛いのはお前だろうが!と内心で突っ込みつつ、イザークは照れを隠すようにキラの額を小突いた。

「笑うなっ!馬鹿者!」
「ははっ、ごめんっ...けど嬉しくて!僕、イザークに愛されてるなぁって」
「実際、愛してるからな」
「また、そーやって恥ずかしいこと言う」

「本当のことだ…キラ」
「うっ」

真摯な双眸が菫の瞳を捉える。
そのまま二人は顔を寄せ合い、キスを交わした。
しばらくして唇が離れ、キラは紅潮したままの顔でイザークを見上げた。

「ほら、もういいだろ?部屋に戻れ…それとも、」
「何?」

イザークがニヤリと口端を上げる。

「今から俺と、するか?」
「バカァ!!」


end.
@2006.10.18#改訂2009.6
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