Kira's LoveStory*

□聖夜の奇跡
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「シン!何やってんのよ、バカッ!」

非難する声と共にシンは後頭部に一撃を食らう。

「痛ってぇー!!いきなり何すんだよ!ルナッ!」
「それはこっちの台詞!それよりキラさん、大丈夫ですか!?」

頭を擦りながら文句を言うシンは放っておき、ルナマリアは固まったままのキラを気遣った。

「......う、ん。だいじょうぶ...吃驚しただけで」
「ホントにすみません!シンってば、後先考えないで行動するんですよ〜」
「ルナ!変なこと言うなよな!」
「あら?私は事実を言っただけだわ」

フフン、としてやったりという表情の彼女をシンは恨めしそうに睨む。

「大体、キラさんの気持ち考えた?」
「ルナには関係ないだろ!」
「だからバカなのよ...。ここ、何処だと思ってんの?」
「は?」

言われてみれば...。
自分たちがいるのは、大勢の人が行き交うパーティー会場。
そして今、痛いくらいの視線が三人に注がれていた。

「うわ、やべっ!」

キラと話していたら舞い上がってしまい人目も憚らず、あんな行動に出ていたのだ。

「解った?とにかく、キラさんに謝りなさいよ」
「っ...でも俺!ずっと、キラさんのことが......好、」
「そこまでだ」

シンとルナの言い争いを茫然と見ていたキラは、静かだが威圧感のある声音にハッと我に返る。

「イザークさん...」


三人のすぐ傍に、美しい銀の髪を持つ青年が立っていた。

「こいつは俺が預かる」
「はあぁ!?キラさんは俺と話してたんですけど!」
「フン、貴様などの手に負えるものか。じゃあな」
「わっ、イザークさん??!」

イザークはキラの腕を掴み、有無を言わさず連れて行く。

「ちょっ!待てよっ!!」

納得いかなくて追い縋ろうとしたシンだったが、襟首を掴まれ阻止された。

「放せよっ!ルナッ!!」
「やめなさい!シンが敵う相手じゃないでしょ!?」
「くっそ〜〜〜!!」

会場にシンの雄叫びが響きわたった。


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