Kira's LoveStory*

□とろけるほど、甘く
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「アンタ、それ何個め?」


シンの呆れたような指摘に、キラは包み紙から取り出したチョコを摘んだまま、固まってしまう。

「あー......えと、多分...5、6個?」
「どこがっ!そのゴミの山は何なんだっ!!」

キラの専用デスクの横に備え付けてあるゴミ箱には、チョコの包み紙がぎっしりと詰まっていて、いまにも溢れ出しそうだ。

「や、だってね?仕事してると甘いモノが欲しくなっちゃってさ」

あははー、と笑って誤摩化す。
一応これでも上司である相手にシンは苛立ち、眉間に皺を深く刻んでいく。

なんで、この人はこんなにもマイペースなんだ!?
仕事してるのは良しとしても、チョコを食いながらってどうなんだ?!!
いや、ダメだろ!!しかも量が半端じゃない!!!

シンの怒りのオーラを知ってか知らずか、チョコをもりもりと食べながらキラが話しかけた。

「良かったらシンも食べる?すっごく美味しいよ」

ニコニコと可憐な笑みと共に、チョコが一つ差し出される。
その微笑みにシンはころっと怒りを忘れ、チョコを受け取るべく手を伸ばした。

「これ、アスランからの差し入れなんだ」
「!」

...アスランだと!?

途端にシンは手を引っ込め、チョコを拒否した。
憎っくきライバルであるアスラン・ザラ。
奴からのものなんか受け取るか!と怒りを再燃させる。

オーブに行ったとはいえ、奴はプラントに来る度にキラへと贈り物をしてくる。
しかも、キラ本人もそれを嬉しそうに受け取るから始末に終えない。

「絶対いらねー!!」
「えー?急になんなんだよ〜?」

せっかくの好意を無下にされ、キラはぷいっと体ごと横に向けた。

「もう欲しくてもあげないからねっ!」

受け取られなかったチョコの包みを破いて口に入れると、チョコの甘さが口いっぱいに広がり、キラは幸せな気分になって頬を緩める。

「美味しー!幸せー!」
「...キラ」
「何?やっぱり欲しくなったの?」

キラの真正面に移動してきたシンが顔を近づけてくる。

「ちがう、俺...」
「ん?」

「...キラが欲しい」
「は?!...ふぇっ!?」

驚いた瞬間に顎を捕らえられ、唇を塞がれる。

「んー!...んぅっ...んっ、」

突然の行為にキラは為す術もなく、シンを受け入れていた。
舌を絡め合い、互いの口内に溶けたチョコの甘い唾液が行き交う。

「んっ、んぅ...」

その甘さと熱に、キラは翻弄されて瞳を潤ませる。
こんな濃厚なキスは久しぶりで体がひどく疼く。
このままシちゃってもいいかな...、なんて流されそうになっていたら、いきなりシンの唇が離された。

「ぷはっ......、」
「っ...はぁ、...シ、ン?どうし..」
「...ぅ、口ん中、甘すぎ...」

どうやらチョコの甘ったるさに耐えきれずにキスを中断したらしい。
シンはキラのデスクからコーヒーの入ったカップを取ると、それを口に含んだ。

「っ!シンっ...!」

頬を紅潮させながらも、放置された熱にキラが抗議する。
潤んだ瞳に睨まれて、シンは苦笑した。

「悪りっ!でもキラ?今度からチョコはビターにしろよ?」
「...バカっ!」

シンはカップを戻すと、再びキラに唇を重ねていった。


――チョコレートよりも甘いひととき。


end.
@2008.6.1#改訂2009.6
 

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