Athrun×Kira LoveStory*

□Vestige+
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――その鋭い瞳に全てを見透かされているようで...


――僕は貴方が怖かった。



ラウ・ル・クルーゼとの死闘の後、フリーダムと共に吹き飛ばされ、宇宙空間を漂っていた僕は堪えきれない感情に涙した。


「どうして...僕は、こんなところへ来てしまったんだろう」


こんな果てのない宇宙で、自分がとても小さく思えた。

それでも、守りたい人の為に必死で戦ってきたことに後悔の念はない。

今はただ、例えようのない切なさに胸が締め付けられるだけ...。

次から次へと零れ落ちる涙で視界が霞む中、何かがきらりと遥か彼方に光り、そちらへと意識を向ける。

滲んでいく視界に差し込んだ光は奇跡の灯火のように思えた。
その輝きを運んで来たのが、アスランが作ってくれた大切な贈り物だったから...。

キラはトリィに先導されるようにして半壊したルージュが、まっすぐにこちらへと近づいてくるのを幻でもみるかのようにぼんやりと眺めていた。

そして、そのコックピット内に寄り添う二つの影をみとめて涙をこぼす。

(良かった...二人とも無事で...。)

そう思う気持ちに嘘は無いのに、ちくりと胸が痛む。

「アスラン...」

解っている...。
彼の隣に相応しいのは僕じゃない。

哀しみを、切なさを...様々な感情を、瞳を閉じる事で封じ込めた。



――僕の心を暴かれないように...。




2010.02.09
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