Athrun×Kira LoveStory*

□星の灯る家
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◆3
甘く落ち着いた香りのするハーブティーを眺めながら、今までの経緯を話していたキラは、最後にすまなさそうに微笑を向けた。

「ごめんねラクス…僕、我が侭だから」

プラントへ来たものの、行く宛てもなく彷徨っていたキラ。そこで連絡を取ったのがラクスだった。彼女はキラを私邸へと快く招き入れてくれた。

「いいえ。でも我が侭なのはいけないことですか?」
「ダメだよ。欲しがってばかりじゃ…」
「あら?欲しがっていたのは、キラだけではないのでは?」
「??え、それってどういう…」

ラクスはキラの唇に人差し指を当てて、にっこりと笑う。

「後は本人から直接お聞き下さいな」
「?……っ!!」

ラクスが席を立つのと同時に、決して忘れることの出来なかった懐かしい彼がサンルームの扉から姿を現した。

「…アス、ラン?」

それ以上、言葉を発せずに固まるキラ。ラクスは部屋を去る間際に、そっとアスランに囁いた。

「言葉にしないと伝わらないこともありますわよ?」

◆4
静寂が部屋の中を支配する。
お互い見つめあったまま、微動だにしない二人。
先に口を開いたのは…。

「ごめん、キラ。寂しい思いをさせて...」

切なそうに微笑むアスラン。

「ううんっ!君のせいじゃないっ!」
「いや、俺が悪いんだ」

今にも泣きだしそうなキラの髪を優しく撫でる。

「俺はキラが欲しくて堪らなかった…」
「!!」

思ってもいなかったアスランの言葉に、キラは胸が熱くなり瞳を涙でぬらす。

「けど、キラを傷つけたくはなかった。だからわざと避けて…、逃げていたんだ」
「僕もっ…!アスランが、欲し…くてっ、でも嫌われてる、って…」

言葉を詰まらせながらも懸命に声を出すキラをアスランは強く抱き寄せた。

「嫌いなわけないっ!むしろ好きすぎて、今の関係を壊すのが怖かったんだ!」
「僕っ、も…アス、ラン…が好きっ!…大好き、だよぉ」

キラの涙がポロポロと溢れてアスランのジャケットを濡らしていく。
二人はキラが泣き止むまできつく抱き合っていた。二度と離れないように...。
お互いに言葉はもう必要なかった。

――君の温もりが全てを語ってくれる。

「帰ろうか、俺たちの家に」
「うん!」

キラは満面の笑顔で頷き、アスランも綺麗な笑みを返した。


どちらからともなく手を繋ぎ、歩きだす。
二人の暖かくて幸せな家へ。
もう一度、光を灯そう...。
星をも凌ぐような輝きを永遠に…。


fin.
改訂2009.6
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