Athrun×Kira LoveStory*

□Sweet×Sweet
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「ヤマト隊長!」

プラントの議事堂を歩いていると、緑服の若い兵士に声をかけられて足を止める。頬を紅潮させて近づいてきた彼の手にしている物をみとめて、本日これで何度目になるかわからない小さな溜息を吐いた。

もういい加減、左手に提げた紙袋の重さから逃れたいのに...。
案の定、彼が渡してきたのは真っ赤な包装紙に包まれた細長い箱。無難な言葉を選んで、お礼を述べると彼は嬉しそうに笑って去っていった。

また一つ、紙袋の中身が増えた。


そう、今日は2月14日バレンタインデーだ。自分には関係のない事だと思っていたのに、どうした訳か男女関係なしに、やたらと貰ってしまう。五つ目あたりで両手に抱えたままでは大変でしょうと、すれ違った女性士官が紙袋をくれたのだが、割と大きめな袋のはずなのに、すでに袋から溢れんばかりにプレゼントが詰まっていた。

何も律儀に受け取らなくても良かったのだけれど、たとえ義理だとしても自分なんかに贈ってくれる気持ちが嬉しくて、ついつい断れずに受け取ってしまったのだ。で、気づけばこの量...。

とりあえず一度、自分に与えられている執務室に寄って、荷物を置いてこようと早足で向かう。誰にも声をかけられませんように、と胸中で祈りながら...。



「な...に、これ?」

執務室の扉を開いた途端、そこに広がる光景にキラは唖然となる。何故なら、部屋の一部を占拠するように色とりどりにラッピングされた箱やら包みが山のように置かれていたから。

「お疲れ、キラ」

その声にハッとして、来客用のソファに座る人物に初めて気づく。

「ア、スラン...なんで?」
「久しぶり、会いたかったよ」

そう微笑んだ人は、今は遠く離れた地、オーブにいるはずで。

「今日はキラに届け物があってきたんだ」
「届け物?届け物って...もしかしてこれ!?」

プレゼントの山を指差して問うと、アスランが可笑しそうに答える。

「それはプラントや、ザフトの人達からだろ?キラは人気者だな」
「そ、そんなことないよっ!」
「やっぱり来て良かった」
「え?」

アスランがソファから立ち上がり、キラの目前までやってきた。

「お前が心配だったんだ」
「...アスラン...」

キラの柔らかな茶色の髪を指で梳きながら、アスランが切なそうに微笑んだ。

「キラが誰かに盗られないかってね」
「!僕っ...僕はアスランの、だよ?」

きゅっ、と彼が着ているオーブ軍服の裾を掴む。すると、その手を包み込むようにアスランの温かい手が重ねられた。

「嬉しいよ。別にキラを疑ってた訳じゃないんだ。ただ周りが気になって...、実際この部屋に入って驚いたしな」

アスランがプレゼントの山にちらりと視線を向ける。

「ハハ、驚くよね普通。僕もこんなに貰えるなんて思ってなかったし...」
「キラは相変わらずだな」
「ごめん!断るべきだったよね...」

シュンと項垂れたキラの頬をアスランは優しく撫でる。

「キラのそういう優しいところ、俺は好きだよ?」
「...アスラン」

全てを受け入れてくれる恋人に、愛しさが込み上げてキラは抱きついた。
背中に腕をまわし、アスランの逞しい胸に顔を埋める。

彼の温もりをより感じられるように...。
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