Athrun×Kira LoveStory*

□Chase!
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act.1

「また、逃げてきたのか?」
「うん...だって、こうでもしないと、アスランしつこいんだもん」

オーブ代表を務めるカガリは執務室のデスクに頬杖をつきながら、室内に備えられている来客用のソファの上でクッションを抱え込み、ゴロゴロと転がる人物を眺める。
些か不機嫌そうに眉根を寄せる亜麻色の髪の少年は今朝、一緒に暮らす同居人と一悶着あったらしく、彼は姉のカガリを頼ってこの場所に身を寄せていた。

「で?今回はどうしたんだ?」
「ん〜、朝から僕が居ないって大騒ぎ。ただ天気がいいから浜辺を散歩してただけなのにさ」
「はぁ...毎度毎度、アイツも大袈裟だなぁ」
「でしょ?それに騒ぐだけならまだしも、その後アスランなんて言ったと思う?!」
「さぁ?」
「”俺の傍を離れるな!”だって。なんでいつもアスランの傍に居なくちゃいけないんだよ!」

むぅ、と眉をしかめる弟にカガリはこっそり溜息を吐く。
アスランもアスランだが、キラもかなりのお子様だ。ここはフォローをしておいてやるか、とカガリは口を開いた。

「...キラ。あのな、アスランは別にそんな意味で言ったわけじゃあ...」
「よしっ!決めたっ!!」

キラは急にソファから飛び起きると、カガリのデスクにバン!と両手をついた。

「!?いきなり何だよ?」
「僕、今日からここに住む!」
「は!?」
「いいでしょ?」

可愛い弟に、にっこり微笑まれれば反対など出来るわけもなく...。

「...私は歓迎するが。いいのか本当に?」
「うん!僕だって大人なんだし、アスランなんか居なくても一人で出来るっていうのを納得させてやるんだ!」

そう息巻くキラに、カガリは再び盛大な溜息を吐いた。

(そういうとこが子供なんだよ...)



*****

「カガリ!いい加減、キラを出せ!」
「だーかーらー、居ないっていってるだろ?」
「俺を誤魔化せると思ってるのか?」

広いリビングで先程から繰り広げられる押し問答。突然、押し掛けて来たのは弟の同居人、アスラン・ザラ。

「キラが行きそうな場所は全て探したんだ!」

全くキラのことになると、とんでもない行動力を発揮するんだな...とカガリはぼんやりと考える。その間にもアスランはキラを出せ出せと口うるさい。
こうなれば早く二人を仲直りをさせて、大人しく帰ってもらおう。そうだ、それがいい。

「わかったから、とにかくお前はキラに会いたいんだな」
「そうだ、その為に来たんだ」
「じゃあ、この屋敷中を頑張って探せ」
「何?」
「私も居場所までは知らないんだ、じゃあな」
「ちょっ、待て!カガリっ!」

カガリは部屋を出て行こうとしたが、扉の前でふと立ち止まり、アスランを振り返る。

「アスラン」
「何だ?」
「あんまり、束縛すると愛想つかされるぞ」
「...!!?」


絶句するアスランを残して、カガリは部屋を出て行く。その表情はすこぶる楽しそうだった。
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