Athrun×Kira LoveStory*

□happy leaf
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「アスラン!」

振り仰いだ先には、コクピットから身を乗り出し、満面の笑みを浮かべて手を振る恋人の姿。

「キラ...」

彼の顔を見ただけで、アスランの世界はキラ一色に染まり、キラへの愛しさだけが込み上げる。
そんな恍惚としたアスランを余所にカガリはコクピットの弟に向かって話しかけた。

「おはよ〜キラ、よく眠れたか?」
「うん、お願い聞いてくれてありがとね!カガリ」
「別にいーさ、それより早く降りてこい」

言いながら、カガリは意味ありげにアスランを指差し、キラもくすぐったそうに微笑んだ。

「待ってて、今降りるから」

そう言いつつ、コクピットから降り立ったキラをアスランは無言で力いっぱい抱きしめた。

「う...アスラン、苦しいって...」
「馬鹿キラ」
「へへ...」

一向に抱きしめる力を緩める気配のないアスランの肩越しに見えたカガリに、キラは困ったような、それでいて幸せな笑みを向けた。それにカガリは仕方がないとばかりに愛想笑いを返すと、軽く手を挙げてオーブ官邸へと戻っていく。

その後ろ姿にキラは感謝の念を送った。

アスランの誕生日を直接祝おうと、キラのオーブ入国許可を出してくれたのが彼女だった。
そして夜中に到着したキラを官邸で休めと招いてくれたのだが、そのままコクピット内でアスランを待つといった自分を心配して、こうして様子を見にきてくれたのだろう。

「こーら、他の奴のこと考えてるな?」
「ふふ、アスランのヤキモチ焼き...でも、そんな君も好きだよ」

抱きしめられたまま顔を上げたキラに、アスランは深い翡翠の瞳を優しく細めた。

「言いたいことは色々あるが、正直キラの顔を見たらどうでも良くなった」
「うわ〜すごい殺し文句...」
「それに、アレだろ?自惚れじゃなきゃ、今日は俺の為に来てくれたんだよな?」
「うん!そうだよ、君の為!!」

キラが無邪気な中にも、蕩けるような艶を含んだ笑顔をこちらに向け、ふっくらと柔らかな唇がゆっくり開かれるのを、アスランは幸せそうに見つめた。


「アスラン、誕生日おめでとう!!」

一年に一度しか聞けない、恋人からの幸せの言の葉。


end.
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