Athrun×Kira LoveStory*
□黄昏に君を想ふ
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沖合からの風に亜麻色の髪をふわりと揺らし、浜辺に佇む幼なじみ。
そのシルエットは酷く危うげで、目を離せば消えてしまいそうで...。
アスランは堪らず名を口にしていた。
「キラ」
「ん、なぁに?アスラン」
ゆっくりと振り返り微笑む姿が綺麗で、しばし言葉を失い見とれてしまう。
自分と同性であるはずなのに、彼からは中性的な雰囲気が漂ってくる。
そんな何とも言えない魅力に惹かれ続けていた、今も昔も...。
「アスラン?どうかした?」
「...いや、綺麗だなって思って」
「うん、ホント綺麗だね」
キラはそう言いながら、水平線に沈もうとしている夕陽を眩しそうに見つめた。
その様子にアスランは心の中で苦笑する。
自分が綺麗だと言ったのはキラのことなのに、どうやらキラは夕陽のことだと勘違いしているらしかった。
―無自覚なのも心配だな。
でも、あえて言い直そうとは思わない。
純粋な君が愛おしいから...。
「キラ、夕食にしようか」
「うん!お腹空いてきたしね」
今日のメニューはなに〜?と聞いてくるキラにハンバーグと伝えると、菫の瞳を輝かせて喜んでくれた。
お子さま味覚なのは相変わらずだ。
ずっと、このまま二人で。
願いは夕闇の中に儚く溶けて消えた。
end.2008.8.19
・実はこれ途中で切ってしまったんですが、アスキラ←シンになる予定でした(汗)