Athrun×Kira LoveStory*

□きらきら
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――結局、叶わなかったな......。


アスランは戦艦エターナルの展望デッキから広大な宇宙を見つめていた。

キラと共闘すると決めるまでの道程は辛く、長かった。

それはきっと、キラも同じはず。


「アスラン、何してるの?」

すーっ、と無重力に浮く体で跳ねるように隣にやって来たキラ。

「ちょっと昔を思い出してたんだ」

「昔って?」

「...ベガとアルタイル」

「??アスラン?」

「覚えてないか?...織姫と彦星の話」

「あっ!うわ〜、懐かしい〜!幼年学校で習ったよね」

「あの時、キラは何を願ったんだ?」

「えっ!?...いや、その...恥ずかしいな」

薄暗い展望室だが、うっすらと頬が桃色に染まっているのがわかる。

あの頃の面影を残しつつ成長したキラを、やはり今も変わらず愛しく想う。


「俺は...『キラが幸せでありますように』って」

「!...アスラン」

「でも叶わなかった...」

「?違うよっ、アスランの願いは叶ったよ」

キラの手がそっと髪に触れ、頬を撫でてくる。

包み込むような優しい微笑み。

「聞いて?僕は、アスランと一緒に居ることが幸せなんだ。だからやっと今、叶ったんだよ」

「キラ...」

「それにね、僕の願いも君と一緒」

照れくさそうに、はにかんだ笑顔を見せたキラはアスランの背中に両腕を回す。

「キラ」

「...アスランは今、幸せ?」

「幸せだよ。だって、キラが此処に居る......」

アスランもキラの体を抱きしめると、二人はしばらくお互いの温もりを分け合った。



――今宵、広大な銀河でベガとアルタイルは、ようやく一つになった。



どんなに遠く離れたとしても...


きっとまた、出逢える。


*end*2008.7.07
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