Athrun×Kira ParallelStory*

□ももいろ
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「ねぇアスラン、目つむって?」
「は?」
「だーかーらー、目!つむるの!」

寒空の下、帰宅する学生たちで賑わう往来のど真ん中で、幼なじみで同じクラスでもあるキラがそう宣った。

別に目をつむるくらい大した事じゃない。
ただ、気がかりなのは目の前でクフフとほくそ笑むキラだ。
絶対良からぬことを考えていると、アスランは素直に頷けずにいた。

「一体、なにをするつもりなんだ?」
「それ言っちゃったら面白くないでしょ」

早くつむれ〜、と催促されてもなかなか実行に移せない。
キラは昔からいつも、いきなりすぎるのだ。

「......せめて場所を変えないか?」
「なんで?」
「なんでって、人の目があるだろ」
「もう!アスランってば、やらしい!」
「はぁ?!なんでそうなる」
「だって、目つむるだけなのに人の目気にするって、絶対やらしいこと考えてるでしょ!」

図星を突かれて「うっ」、と返答に困る。
俺とキラは同性であるが所謂、恋人同士の仲だ。
そんな相手に目をつむれと言われて、キスぐらい期待してしまってもいいのではないだろうか。

「僕だって一応TPOは考えてるよ」
「TPOね...」
「なに?」
「いや、キラの口からそんなセリフ聞けるとは思わなくてさ」
「うわーうわー!アスランが僕をバカにしたぁ!」

そう言って、拳を振り上げてくるキラの攻撃を難なく受け止めながら、アスランは苦笑する。

まったく可愛いことをしてくれるものだ。
小さく息を吐き出すと紫色の瞳をじっと見据えた。

「分かった...キラを信じる」
「うん!!」
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