Athrun×Kira ParallelStory*

□ココア
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何?と純真無垢な瞳で見上げてくる、キラの頬を両手で包み込む。

「冷えてる...」

「...アスランの手、あったかいね」

瞳を閉じて彼の手の温もりに酔いしれる。

そうしていると額に優しい口づけが落とされた。
唇はすぐに離れてしまい、少しだけキラは残念に思う。

「まだ此処に居るのか?」
「え、あー...うん!」

呆れられるだろうなとは分かっていても、あと少し、舞い落ちる雪に触れていたかった。
けれど、アスランは呆れるどころか、何も言わずに部屋へ戻ろうとする。

その背中が恋しくて...。

「アスラン!...あ、その...」

呼び止めたものの言葉に詰まる。

一緒に雪を見よう、なんて言ったら彼は怒るだろうか...。

逡巡しているとアスランが、くすっと微笑った。

「とりあえず、上着が必要だな」
「...うん、ありがと」
「あと、洗い物が終わったら俺も行くから、待ってて?」
「っ...うん!!」


アスランは、彼が淹れてくれるココアのように、優しくてあったかい気持ちにさせてくれる。


不思議だな。

幸せだな。


だから僕は、
そんなキミが好き。


end.2008.1.28
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