Athrun×Kira ParallelStory*

□クリスマス*イヴ
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「ここは...」
「貴様は大人しく帰れ」

アスランが見上げるのは国内でも有数のリゾートホテル。

こんなところに彼らが二人きりで泊まるというのか?...許せるはずがない。

「俺も今日はここに泊まる」
「貴様...」
「うわぁ!アスランも一緒らろ〜?やったぁ!」

本当に心底嬉しそうなキラにアスランは慈しむような微笑みを向けた。それが面白くないのか、キラを挟んで並ぶ男はチッと舌打ちしたが何も言ってこなかった。

否、言えなかったんだろう。喜ぶキラの前では...。
この男も大概、キラには弱いんだなとアスランは苦笑する。

「何が可笑しい」
「いや、何でも...」



今日はイブでホテルは満室だろうと思われたザラの名を出せば、すんなりとスイートルームが取れた。こんな時だけは親の有り難みを感じる。

これでキラを胡散臭い男から守れるとアスランは安堵の息をつく。


「キラ、部屋に行こう」

先手必勝とばかりにキラの手を取るが、彼のもう一方の手は男の腕に回されたままで。アスランは流石に眉を寄せる。

「キラ?」
「...アス、一緒って言った」
「ん?ああ、だから俺の部屋に来れば一緒だろ?」
「ちがうっ!アスランも僕たちの部屋で寝るろっ!」
「はぁ?!!何言って...」
「ねっ!カナーロもいいでしょ?」
「チッ...」

完全にキラのペースに巻き込まれた二人は、そのまま引っ張られるようにしてキラと男が取っているというスイートルームの前に行き着いた。
相変わらずキラだけは上機嫌で、男に早く部屋を開けるように促している。


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