Athrun×Kira ParallelStory*

□brilliant〜無邪気な天使〜
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「な、なんだよ!なんでお前がここにいるんだ?!」

一人納得するアスランとは逆に、突然現れた招かれざる客にカガリは憤慨する。
それを嗜めるようにカリダが二人の間に割って入った。

「こら、カガリ。せっかく来てくれたのにそんなこと言わないの。それに呼んだのはキラなのよ?」
「はあ!?あいつぅ、今日は二人で祝おうって言ってたのに〜」

「キラの馬鹿」と、ここには居ない弟に文句を言いながら頭をがしがし掻く様は、およそ今の出で立ちに似つかわしくない。

せっかくの衣装も台無しだとアスランは思う。けれど決して口にはしない。口に出したら最後、キラが止めに入るまで延々と口喧嘩が始まるからだ。

「じゃあ二人とも、キラを呼んでくるから仲良くね」

カリダはそう言い残し、部屋を出て行く。残された二人の間には微妙な空気が流れていた。
この場にキラがいれば、そんな空気にはならないのだが...。
カガリもアスランもキラのことを溺愛し、可愛いキラを相手に取られてたまるかと、互いを牽制し合っていた。

いわば二人はライバル関係にあったのだ。


「「......」」

しんと静まり返る室内。
正直、居心地が悪い。
お互い視線を合わさぬまま時間だけが流れてゆく。
とうとう、この沈黙に耐えかねて先に言葉を発したのはカガリだった。

「...あいつ、遅いな」

ぽつりと独り言とも取れる呟きに、アスランは言葉を返すか躊躇する。
だが、どんなに苦手な相手でも彼女はキラのたった一人の姉だ。

そう納得させ口を開いた。

「キラは何をしてるんだ?」
「...私も知らない。ただ、準備があるからって」
「準備?」


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